商標登録の裏技?識別力要件をクリアするには-iP Times.-
(この記事は、2022年4月22日に商標専門弁理士が作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆これから商標登録することを検討されている方へ
☆すんなり商標登録されるためのヒントを得たい方へ
☆商標を出願し、識別力なしとの判断を特許庁より通知されてしまった方へ
本記事のここがポイント!!
文字のみでは識別力要件を満たさない商標をどうにか登録できないか?大企業も駆使するそんな手法をお伝えいたします。
商標登録の重要な要件!識別力とは?
商標登録をするには「識別力」というものが必要です。
この識別力は審査時にはチェックされていて、少なくとも審査時にはすべての登録商標に備わっていると判断されております。
識別力を、カンタンに言うと「他社の商品サービスと区別できる特徴」ということになりますが、それでも???ではないでしょうか。
なので、以下の具体例で識別力なしと判断されるものを掲載していきます。
1、商品サービスとの関係での普通名称。
ゲームセンターの提供について「ゲームセンター」
2、普通名称の略称。
ゲームセンターの提供について「ゲーセン」(使用例が多数ある場合)
3、サービスの品質や地名を付したにすぎないもの
ゲームセンターの提供について「快適ゲームセンター」「ゲームセンター渋谷」
4、ありふれた名字。
ゲームセンターの提供について「松本」「SUZUKI」「サトウ」など
5、簡単すぎる記号など。
ゲームセンターの提供について「+」「@」「V」
6、キャッチフレーズ。
ゲームセンターの提供について「みんなでわいわいゲームセンター」
※識別力がないものの一例です。
各企業の事例から考える
(引用:商願2022-31291|https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-2022-031291/7BEC2B006C7380B641732187FA0DD9F2A94354EB87F07A6ACABB91DDE70D5CBA/40/ja|特許情報プラットフォーム J-PlatPat)
記事執筆時、ちょうどよさそうな案件が目に飛び込んできましたのでご紹介します!
「新聞屋さんのお届け便」なる商標です。(商願第2022-31291号)
こちら、単に文字部分だけですと、「新聞屋さんが主に新聞や品物を届けるサービスなのね」として識別力が認められない可能性が出てきてしまいます。
上述の例でいうと、
3、サービスの品質や地名を付したにすぎないもの
に該当する可能性があります。
そこで、よーく見ると、「便」の漢字が歩く人の形に「ロゴ化」されていますよね。
この「ロゴ化」により、少なくとも外観上は特徴ある商標になっているので、識別力を満たしていると判断される可能性が高まるのです。
(もちろん、こういうロゴだから、そのまま出願した可能性も否定はできません。)
このような案件を目にしますと、弁理士としては「この企業さんは分かってるね。」と謎の上から目線を発動させるのです。
商標川柳・今日の一句
弁理士歴7年。商標調査の件数は、5200件を突破しました。 商標のニュースは常に気になり、商標をこよなく愛する商標好きの 事務所勤務の弁理士です。好きな商標の言葉は、登録査定。
Twitter:@syohyosuki
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