「ぴえん」商標問題を振り返る!注目の審査結果は?-iP Times.-
(この記事は、2022年5月2日に商標専門弁理士が作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆話題の商標の審査結果が気になる方へ
☆流行りの商標について特許庁の判断基準が気になる方へ
本記事のここがポイント!!
おととし出願され、その是非が問われたぴえん商標!現状を確認してみました。
ぴえん商標の審査結果は?
2020年、特許庁に商標登録出願された際、大きな物議を醸した「ぴえん商標」。
このような流行り語の出願問題自体は珍しくなく、出願時は大きく取り上げられます。しかし、その後はとかく忘れさられてしまうことも。
今回は、その追跡調査として、「ぴえん商標」の出願はどうなったのか、特許庁の見解をご紹介します。
また、この記事を読むと、流行り語の出願をすることで起こることおよびリスクを知ることができますよ。
(引用記事:https://www.j-cast.com/2020/11/20399418.html?p=all)
(引用:商願2020-134032|https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-2020-134032/EF3ECE9DFFC5DDEC76744DA59F18C0972CDA60E53F5B82ACEC7C77F86C1FA402/40/ja|特許庁データベース J-platpat)
結論、登録不可の判断(2022年5月2日現在。)
予想通りと言えば予想通りなのですが、特許庁は登録不可の判断を下しております。
出願人は登録不可の判断を受け取ったのち、反論という形で意見書の提出などの対応を取っていないため、どうやらこのまま登録不可が確定するものと思われます。
もちろん、審判というものを起こすこともできますが、やはり、これ以上の炎上を避けたいと考えているためか、争っていくことは考えにくいですね。
「流行りもの出願」の特許庁の判断のスタンスは?
流行っている言葉やものの独占権を得たいと考え、商標登録出願をされること自体はこれまでにも多々起こっております。
企業側がそのような行為は批判の対象になると理解していない場合もありますし、出願をしたとしても炎上するとは思わなかったという場合もあるでしょう。
ただ、特許庁としては登録不可とするケースが多いです。
以上は、「ぴえん商標」の実際の拒絶理由通知書です(なぜ登録不可と判断したのかを示した書類)。
拒絶理由通知書の内容を見ると、
このマークは広く一般に使用されており、独占権を認めるのは妥当ではない
との見解を示していますね。
上記登録不可の見解は今後の商標採択について、とても参考になります。
言い換えると、
「流行りもの」が広まりきってからでは登録は基本難しいということです。
そして、最近ではそのような対応をした企業に対して、批判が集まりやすくなっている傾向もあります。
このあたりは、権利化できるかできないか以上に、出願するリスクとして認識しておく必要がありますね。
商標川柳・今日の一句
弁理士歴7年。商標調査の件数は、5200件を突破しました。 商標のニュースは常に気になり、商標をこよなく愛する商標好きの 事務所勤務の弁理士です。好きな商標の言葉は、登録査定。
Twitter:@syohyosuki
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