Menu

ゆっくり茶番劇の商標登録を弁理士が考察する-iP Times.-

(この記事は、2022年5月16日に商標専門弁理士が作成したものです。)

こんな方に向けた記事です。
ゆっくり茶番劇の商標問題についてとにかく気になる方へ
「ゆっくり茶番劇」の語を使用しても良いか気になる方へ

本記事のここがポイント!!

Twitterを中心に凄まじいバスりを見せているゆっくり茶番劇の商標問題。この問題に対して、誤解・誤認するような内容も拡散されはじめていますので、ぜひ正しい知識を学んでください

ゆっくり茶番劇の商標登録状況を確認する

出願されていた商標「ゆっくり茶番劇」が 令和4(2022) 2月24日に登録されていたことが判明をいたしました!

なぜ、このタイミングで公表されたのかというと、商標登録の異議申し立て期間(登録公報が発行されてから2月)が過ぎたのを見計らって、権利者が公表したと思われるためです。権利者は、今後この「ゆっくり茶番劇」を使用するには、ライセンス料を支払うよう要求しています。

(引用:商標登録第6518338号|https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-2021-114070/F3A3517B2BE17F2B5A64398A955EDC9F885A39A3B583EC068237E35E0537F034/40/ja|特許庁データベース J-platpat)

(引用:権利者のTwitterより|https://twitter.com/Yuzuha_YouTube/status/1516016240396972032

この「ゆっくり茶番劇」というワードは、Youtube界隈で多数使用されてきたワードであり、一種の伝統文化として根付いている「共有財産」のように認識されていたものとのことです。それを、出願人である石氷匠氏が単独で商標登録を行ったことで多くの反感を買っているようですね。

誤解をして欲しくない事項をまとめる

今回の商標登録は、YouTube界隈を大混乱に陥れています。

しかし、正しくない内容が拡散されてしまっているのも散見されますので、以下でご確認ください。

ゆっくり茶番劇の構成自体も使用してはいけないの?

今回は、ゆっくり茶番劇という商標がYouTubeチャンネルのサービスである41類で商標登録されております。

但し、この動画の構成・中身自体を止める効力は商標権にはありません。

あくまで、「ゆっくり茶番劇」という名称を使用しないで欲しいということにとどまります。

よって、例えば、この動画の構成のままで「くるくる茶番劇」など名称を変更すれば、少なくとも、登録商標「ゆっくり茶番劇」の商標権の権利侵害にはなりません。

異議申し立て・商標登録無効審判は認められる?

この商標登録を取り消したり、無効にしたりなどはどうか?という意見もございます。

まず、異議申し立てについては既に期限を過ぎてしまっているので、申し立ては不可となります。

一方、商標登録無効審判についてですが、正直、起こすことはそれほど簡単ではございません(商標法46条)。

というのも、「利害関係人である場合に限り」、この審判を起こすことができるとされているためです。

今回、少なくとも「ゆっくり茶番劇」のYouTube発信者は商標法の趣旨から考えた場合の利害関係人であると認められる可能性が低いため、この主体的な要件を満たすことが難しそうです。

先使用権は認められるの?

中には、先使用権(せんしようけん)が認められるべきとの意見もありました。

先使用とは、商標登録がされていなかったとしても、ある企業・人物の商標としてよく知られている場合の商標については引き続き使用を認めるという、例外的に使用権を認める制度です。

ただ、この制度について、「ある企業・人物の商標としてよく知られている」ということが必要となりますが、この点が本件はかなりネックです。

というのも、いわばみなさんに広く使用されている手法=共有財産のようになってますので、特定の企業・人物の商標としてよく知られているかというと疑問を感じざるを得ません。

よって、先使用権を認められる可能性は低いです。

ゆっくり茶番劇のコトバを使用してもいいの?

前述のとおり、「ゆっくり茶番劇」の使用は控えるべきです。

商標登録の妥当性に欠けるという思いがあるために使用してしまってもいいのではないか?というような意見も出ています。

確かに、今回の商標登録は倫理的には疑問符を付けざるを得ませんが、「ゆっくり茶番劇」の使用は現時点では権利の侵害にあたる可能性が高いです。

よって、トラブルに巻き込まれる可能性があることを加味すると、YouTubeチャンネル名およびタイトルにこの「ゆっくり茶番劇」を入れるのはやめた方が賢明です。

商標川柳・今日の一句

iPTimes

>>>ほかの記事を読む

タグ
商標登録は専門の弁理士にお任せ
まずは気軽に無料相談を!