ブランドバック等の商標権侵害はなぜ起こる?弁理士が考察します-iP Times.-
(この記事は、2022年6月14日に商標専門弁理士が作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆商標権侵害について検討したい方へ
☆ブランドの侵害がなぜ起こるのか見解を得たい方へ
本記事のここがポイント!!
頻発する有名ブランドの侵害事件!弁理士が考察しました。そこには人間心理と密接に関連した要因があったのです(私見)。
多くのニュースで取り上げられる商標権侵害事件!
商標法違反の事件の中で一番取り上げられているニュースは、有名ブランドのバックや洋服、時計の商標権侵害ではないでしょうか。
この手のニュースが報じられるたびに、私は正直「またか」という感想しか抱きません。
しかし、なぜこうも有名ブランドのバックや洋服、時計等が狙われるのか?
そこで、今回は、なぜブランドバック等の商標権侵害は起こるのかを弁理士の視点から考えてみました!
有名ブランド品の侵害事件はなぜ起こる?
私の考えでは、次のようなことが主な要因であると思っております。
- 模倣(パクリ)が容易である
- 儲かる
- 買う方がニセモノでも良いと考えている
1、模倣(パクリ)が容易である
まず、模倣が比較的容易だから。
ブランドは多くの時間と費用をかけて、そのブランド価値を熟成していきます。
しかし、そのブランドを模倣すること自体は結構簡単なのです。
例えば、それらしきバッグを作り、そこに「ルイ・ヴィトン」とタグを付けてしまえば、もう立派な模倣品の出来上がりです。
でも、例えば、電子機器などではそうもいきません。
製造工場を作ったりしても、それに多額の費用がかかります。
しかし、バッグや洋服、時計の粗悪品であれば、どこかの工場などに依頼をすれば、大量生産も可能です。
その容易さがブランド品のパクリに拍車をかけているのかなと考えます。
2、儲かる
それから、シンプルな理由で儲かる。
一見なんの変哲もないバッグが有名ブランドロゴを付けた瞬間、あら不思議!とても価値のある品のように思えますよね。
そして、それを高額で売りつけることができるのですから、やっぱり儲かるのでしょう。
でも、もちろん違法ですし、このような稼ぎ方が許されて良い訳はありません。
3、買う人がニセモノでも良いから欲しいと思っている場合がある
一番の大きな理由が、
ニセモノと分かっていても買う人がいる
というところだと感じます。
例えば、ゲーム機とかですと、こういったことはほとんど起こらないですよね。
そもそも、ニセモノのゲーム機自体はあまり見たことがないですし、「ニセモノのニンテンドースイッチだけど、これでいいんだー。」なんてあり得ません。
ニセモノのニンテンドースイッチを見せびらかすこともありません。
一方どうでしょう。
ニセモノのルイ・ヴィトンのバッグだとしても、ブランド品を持っているかのように感じ、それをあたかも正規品として見せている人も結構いるような。
つまりは、
見栄を張りたいという人間心理とブランド品は切っても切れない関係にあるため
に、偽ブランド品が流行ってしまうということになるのではないでしょうか。
商標川柳・今日の一句
弁理士歴7年。商標調査の件数は、5200件を突破しました。 商標のニュースは常に気になり、商標をこよなく愛する商標好きの 事務所勤務の弁理士です。好きな商標の言葉は、登録査定。
Twitter:@syohyosuki
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