経団連、企業経営と標準化について経産省と意見交換
日本経済団体連合会(経団連)は2023年4月4日、東京・大手町の経団連会館で知的財産委員会(津賀一宏委員長、遠藤信博委員長、時田隆仁委員長)を開催し、経済産業省産業技術環境局の畠山陽二郎局長と渡辺真幸国際標準課長から、企業経営と標準化について説明を聴くとともに意見交換したことを、ホームページで公表した。
国際標準の獲得を含むルール形成は国の産業競争力に直結する。経団連は提言「産業技術立国への再挑戦」等において、日本が「技術で勝ってビジネスで負ける」状況を打破すべく、システム標準等のルール形成にかかる人材の育成に取り組むとともに、国際的なルール形成に初期段階から関与していくことの重要性を訴えてきた。
今回の意見交換では、以下のようなことが議論された。
企業競争力の観点に立つと、標準化は、品質や価格・コスト以外に新たな価値を生み出す。同時に、(1)市場創出の主導権確保(2)自社製品の差別化(3)研究開発への好影響をもたらす。標準化戦略を能動的に展開することによって市場獲得のチャンスが増える一方、後手に回れば、ビジネスリスクとなる。企業経営者には、こうした効能を認識したうえで、標準化に取り組んでほしい。
経産省は、標準化戦略を加速するため、(1)可視化による市場からの評価、統合報告書への標準化体制・活動の記載依頼(2)グリーンイノベーション基金等を通じた標準化戦略のフォローアップ(3)異業種連携規格開発の支援(4)標準化戦略人材の育成支援などの施策を検討するとともに、成功事例の収集・横展開をしている。
上記の意見交換では、「オープン&クローズ戦略の活用(ノウハウ、知財、標準化、規制の組み合わせ等)」の話もあり、企業の競争戦略において知財戦略が重要となってきている。オープン領域で仲間や市場を作りつつ、クローズ領域で利益を確保するなど特許網の事例については、経産省(特許庁)が発行している事例集を読むとよい。
参考
https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2023/0427_04.html
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特許関係の仕事に従事して10年。5年間は特許事務所で500件以上の出願原稿の作成に従事。その後、自動車関連企業の知財部に転職し、500件以上の発明発掘から権利化に携わってきました。現在は、知財部の管理職として知的財産活用の全社方針策定などを行っています。
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