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生成AIの有名商標の今と、AI+〇〇の審査状況は?

(この記事は、2023年12月10日に作成したものです。)

昨今話題の生成AIについて、大手各社は日本でどのように商標対応をしたか、状況か調べてみました。

当サイトでは、以前に「GPT」商標を紹介しておりますので、ご興味があるかたはこちらもぜひご覧ください。

OpenAIの事例

ChatGPTを擁するOpenAIは、日本で3件の商標を出願しております。いずれもまだ審査中になります。

ChatGPTは、現在有料でGPT-4を展開していますが、商標として出願されているのはGPT-3までというのも気になるところです。

9類
自然言語の処理用・生成用・理解用及び分析用の人工知能を用いるダウンロード可能なコンピュータプログラム及びダウンロード可能なコンピュータソフトウェア,機械学習用のダウンロード可能なコンピュータプログラム及びダウンロード可能なコンピュータソフトウェア,画像の認識用及び作成用のダウンロード可能なコンピュータプログラム及びダウンロード可能なコンピュータソフトウェア,作曲用の人工知能を用いるダウンロード可能なコンピュータプログラム及びダウンロード可能なコンピュータソフトウェア,人工知能用のダウンロード可能なコンピュータプログラム及びダウンロード可能なコンピュータソフトウェア、すなわちデータへの曝露に対応して分析・分類及び行動するために学習できるアルゴリズムの開発用・実行用及び分析用のコンピュータソフトウェア,人工知能エージェント・アルゴリズム又はプログラムの試験のためのシミュレーション環境用のダウンロード可能なコンピュータソフトウェア
42類
人工知能の分野における研究開発,コンピュータプログラム及びコンピュータソフトウェアの研究・設計及び開発,自然言語の処理用・生成用・理解用及び分析用の人工知能を用いるソフトウェアを特徴とするオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SAAS),データへの曝露に対応して分析・分類及び行動するために学習できるアルゴリズムの開発用・実行用及び分析用のオンラインによるダウンロードできないソフトウェアの提供,言語モデルの使用用ソフトウェアを特徴とするオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SAAS),機械学習ベースの言語及び音声の処理用のオンラインによるダウンロードできないソフトウェアの提供,ある言語から他の言語への翻訳用のオンラインによるダウンロードできないソフトウェアの提供,機械学習・予測分析及び言語モデルの構築の目的でデータセットを共有するためのオンラインによるダウンロードできないソフトウェアの提供,アプリケーションプログラミングインターフェース(API)ソフトウェアを特徴とするアプリケーションサービスプロバイダーに関する役務の提供,人工知能エージェント・アルゴリズム又はプログラムの試験のためのシミュレーション環境用のオンラインによるダウンロードできないソフトウェアの提供,アプリケーション開発用のオンラインによるダウンロードできないソフトウェアの提供

国際登録1724982

区分としては、主に42類での出願が行われていました。

42類は主に「科学技術又は産業に関する調査研究及び設計並びに電子計算機又はソフトウェアの設計及び開発スポーツ及び文化活動」が該当し、具体的にはアプリ・ソフトウェア開発(ウェブブラウザ上で使用するアプリなど)やプログラミングなどが当てはまる区分です。

Microsoftの場合(Azure)

マイクロソフト社では、ChatGPTと連携したAzureというサービスがありますが、こちらも商標登録が確認されました。

41類
教育、すなわち技術・コンピュータ・コンピュータソフトウェア・コンピュータネットワーク・ウェブサービス・モバイルコンピューティング・人工知能・クラウドコンピューティング・SAAS・PAAS・MBAAS・人工知能・ソフトウェア開発・ゲーム開発・データベース及びモバイルコンピューティングの分野におけるセミナー・教室・研修会・オンライン講座及び会議の運営,技術・クラウドコンピューティング・ウェブサービス・SAAS・PAAS・MBAAS・人工知能・ソフトウェア開発・ゲーム開発・モノのインターネット化・データベース及びモバイルコンピューティングの分野の情報を特徴とするオンラインブログの提供
42類
技術・コンピュータ・コンピュータソフトウェア・コンピュータネットワーク・ウェブサービス・モバイルコンピューティング及び人工知能の分野における情報を特徴とするウェブサイトのホスティング,ソフトウェア開発に関する教育で使用するダウンロードできないソフトウェアの一時的な使用の提供

国際登録1493404

こちらの商標ではOpenAIと異なり、41類も含まれているのが特徴的です。

41類は主に「教育、訓練、娯楽、スポーツ及び文化活動」が該当する区分で、教育業、翻訳業、娯楽業、情報通信業、放送業といった業種でよく取得されています。

41類に当てはまるサービスはいろいろとありますが、セミナー開催、体育館など運動施設の提供、ダウンロードせずにウェブブラウザで閲覧する電子出版物の提供など該当します。

Googleの場合(Bard)

Googleでは、Bardと呼ばれるAIの開発が進んでおります。

42類
オンラインによる自然言語クエリ(NLQ)の処理及び作成用のダウンロード不可能なソフトウェアの提供,オンラインによる人工知能(AI)を使用した音声とテキストの生成用のダウンロード不可能なソフトウェアの提供,オンラインによるマルチモーダル機械学習を利用した言語・テキスト・言語処理用のダウンロード不可能なソフトウェアの提供,オンラインによる人間と人工知能(AI)チャットボット間の対話とコミュニケーションを促進するためのダウンロード不可能なソフトウェアの一時的な使用の提供,オンラインによるマルチモーダルによる自然言語・会話・テキスト・画像・映像・音声入力を促進するためのダウンロード不可能なソフトウェアの一時的な使用の提供,オンラインによるチャットボット用のダウンロード不可能なソフトウェアの提供,マルチモーダルによるコンピュータの自然言語処理・人工知能(AI)・機械学習の分野における研究及び開発,オンラインによる人工知能(AI)・機械学習・自然言語生成・統計学習・数学学習・教師あり学習・教師なし学習の分野におけるダウンロード不可能なソフトウェアの提供,チャットボットソフトウェアを使用したテキスト・音楽・画像・ビデオ・ソフトウェアアルゴリズム・方程式・電子文書・データベースなどの検索可能なインデックス及び情報データベースを用いた情報の提供を行うためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウェアの提供,電子計算機用プログラムの提供

商標登録第6758958号

こちらの商標ではOpenAIと同じように、42類での出願となっていました。

これらの企業は、AIに対して独自の名称を付けてブランディングして、商標登録しています。
対して、AI〇〇といった名称の商標も多く出ていましたが、その出願状況についても触れてみたいと思います。

AI〇〇商標の今

出願人:AI Picasso株式会社
出願番号:商願2022-119485
出願日:令和4(2022)年 10月 18日
審査経過:拒絶査定(2023/06/24)

出願人:JAGATオンライン試験システム株式会社
出願番号:商願2022-115650
出願日:令和4(2022)年 10月 7日
審査経過:拒絶査定(2023/08/15)

出願番号:商願2023-53595
出願日:令和5(2023)年 5月 2日
出願人:池永 夏子
審査経過:拒絶理由通知(2023/12/05)

AI+別の言葉をつなげた商標の多くは、登録に至らないことが多いようです。

出願の多くは、識別力のない言葉の組み合わせにしかなっておらず、商標になりえないものが多いようでした。

ただし、これらは「標準文字」での出願であるため、デザインされたロゴでの出願であれば、識別力を得られ登録できるようになるかと思われます。

まとめ

生成AIの最先端を行く、OpenAI、Microsoft、Googleはそれぞれ若干異なる区分での登録になりますが、9類.41類.42類での出願をしていることがわかりました。

そして、AI+〇〇系商標はやはり識別力がなく、登録に至らないことが多かったことがわかりました。

AIビジネスを考えている方は、これらの点から取得する区分と、サービス命名の際の注意点としてAI+〇〇は避けるか、しっかりデザインしたロゴにするかを考えてみてください。

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