「ももクロ餃子」という語が商標出願された話-iPTimes.-
(この記事は、2023年1月4日に作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆おいしい食べ物の好きな方へ
☆面白い商標出願に興味がある方へ
本記事のここがポイント!!
突然ですが、「ももクロ餃子」と聞いて何をイメージしますか?
私はあの「週末ヒロイン」とのコラボ餃子を発売するのかな?と思いました。
さて今回は最近出願されたこの商標について詳しく見ていきましょう。
どんな出願?
「ももクロ餃子」という語は、株式会社まつしんにより出願されました。
こちらのTwitterアカウントは、最近出願された商標を呟いて教えてくれるアカウントです。また同日にはこちらの商標も出願されていたようです。
これら出願の商品カテゴリ(出願区分)は第30類(ぎょうざ)でした。出願区分はこの商標を出願した会社が、どんな商品やサービスでこのネーミング等を使いたくて出願したのかを知る手掛かりとなります。
なお、あの週末ヒロインの「ももいろクローバーZ」の略称「ももクロ」という語は、株式会社STARDUST HD.により既に出願されており、登録されています(5614209号、5739267号)。
今回の「ももクロ餃子」の出願人「株式会社まつしん」は、熊本県にある会社のようです。こちらの会社のウェブサイトを見る限り、今回の出願は、アイドルのももクロとは関係なさそうです。
ではこの「ももクロ餃子」、どんなものなのでしょうか。変わった色の食品(例えばピンク色や青色のカレー)ってよく売っていすよね。よって今回は、ピンク色と黒色が入った餃子のことと仮定して考えていきたいと思います。
株式会社まつしんのウェブサイトでは、この企業が開発し販売している商品がいくつか紹介されています。
中でも「ガリボール!の素」は、まさにピンク色でした。また、ガリボール®とは、秘伝のレシピで漬け込み乾燥させた「ガリ」を お酒に入れた飲料と書いてあります。
「ももクロ餃子」は、このガリボール!の素を用いた生姜餃子なのかも?
ピンクは、このガリボール!の素で黒色は胡椒や胡麻などですかね。
なぜ2つ出願したのか?
今回は「ももクロ餃子」と「桃黒餃子」が同日に出願された訳ですが、なぜ2つ出願したのか推測してみたいと思います。
「ももクロ餃子」は、私が最初に「ももいろクローバーZ」とのコラボ餃子なのかなと考えたように、あの有名な「ももクロ」の関連商品と勘違いする人もいそうですよね。この様に著名な商標に似た商標は、本家による商品であるかのように混同させる恐れがあるとして登録を拒絶されることがあるのです(詳しくはこちらの記事の「ラブライバーの商標権を取ろうとしている理由は?」という欄もご覧ください)。
つまり「ももクロ餃子」がこの様な理由で拒絶された場合に「桃黒餃子」だけでも登録させておきたい!という強い希望があるのではないでしょうか。
ちなみに先程紹介した「ガリボール!の素」は特許出願中だそうですよ(J-platpatで株式会社まつしんと検索をかけても見つけられませんでした)。
まとめ
これらの新たな商標出願の今後の動向には注目ポイントが多くあります。しかしこれら商標は出願されたばかりで、まだJ-platpat上に出てきていません。商標出願は原則として出願日から2、3週間ほど経過すると、内容が一般公開されます。
今回の出願が登録になったかどうか知りたい方はJ-platpatをこまめにチェックしてみると良いかもしれません。
特許事務所で6年間勤務。明細書作成や中間処理に従事。翻訳の仕事も請け負ってきました。元々はデザイン系専攻でして、図面を作成するのが一番楽しい時間です。現在はフリーで活動中。
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