ドワンゴVS米FC2の特許権侵害訴訟がついに決着!知財高裁が出した画期的な結論とは?-iPTimes.-
(この記事は、2022年8月29日に作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆ドワンゴとFC2の特許権侵害訴訟の結果が気になる方
☆国外サーバーに日本の特許権で権利行使したいと考えている方
本記事のここがポイント!!
ドワンゴはニコニコ動画におけるコメント表示に関して、FC2を相手として特許権侵害訴訟を提起しました。東京地方裁判所(東京地裁)ではドワンゴの主張は認められませんでしたが、知的財産高等裁判所(知財高裁)ではドワンゴの主張が認められ、大逆転となりましたのでお知らせします!
特許権侵害訴訟の経緯
まず、訴訟の経緯を説明します。ドワンゴはニコニコ動画におけるコメント表示機能について米FC2を相手として2件の特許権侵害訴訟を提起しました。
この度の判決は1件目の2016年11月15日に提起された訴訟の控訴審判決です。2018年9月19日に東京地裁は「FC2はドワンゴの特許(特許第4734471号および特許第4695583号)を侵害しない」旨の判決を下しました。
ドワンゴとFC2の一連の訴訟については、以下の記事で詳細に解説しています。
知財訴訟の事例!ドワンゴVS米FC2に見る海外サーバーへの模倣対策
FC2の実施内容が特許権の範囲外と判断されましたね。また、一部の処理が海外で実施されている場合に侵害となるのかも注目でした。
参考サイト
・FC2等に対する特許権侵害訴訟提起のお知らせ
・東京地裁平成30年9月19日判決(平成28(ワ)38565)
株式会社ドワンゴのプレスリリース
2018年9月19日に東京地方裁判所(東京地裁)で「FC2はドワンゴの特許を侵害していない」との判決が下り、ドワンゴは知的財産高等裁判所(知財高裁)に控訴しました。
2022年7月20日の判決では知財高裁は原判決を変更し、ドワンゴの各請求を認容しました。以下が判決の概要です。
各プログラムが日本国外のサーバから配信されていることを前提としつつも、数多くの有用なネットワーク関連発明が存在する現在のデジタル社会において、サーバ等の一部の設備を国外に移転するなどして容易に特許権侵害の責任を免れることを許容するのは著しく正義に反する。
特許発明の実施行為につき、形式的にはその全ての要素が日本国の領域内で完結するものでないとしても、実質的かつ全体的にみて、それが日本国の領域内で行われたと評価し得るものであれば、日本の特許権の効力を及ぼし得る。
日本の特許権の効果が外国まで及ぶ「域外適用」を認めたという画期的な判例が出ましたね!
参考サイト
・FC2等に対する特許権侵害訴訟の控訴審判決に関するお知らせ
特許川柳・今日の一句
特許関係の仕事に従事して10年。5年間は特許事務所で500件以上の出願原稿の作成に従事。その後、自動車関連企業の知財部に転職し、500件以上の発明発掘から権利化に携わってきました。現在は、知財部の管理職として知的財産活用の全社方針策定などを行っています。
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