オリンピック商標シリーズ(4)〜商標使用のルール編〜厳しすぎる使用制限-iP Times.-
(この記事は、2022年2月7日に商標専門弁理士が作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆オリンピックに関連する商標等のルールをざっくりと知りたい方へ
☆どんな使用制限が課されているか、具体例を知りたい方へ
☆オリンピックを想像できる商標を出願したらどうなるか知りたい方へ
本記事のここがポイント!!
・オリンピックの知的財産保護はガチガチに保護されていた!しっかり内容を確認すべき。
・具体的にはどんなものが使用不可なのか?商標法以外にも駆使する法律があるようだ!
オリンピックの知的財産保護は鉄壁の布陣である
(引用:知的財産保護· 日本代表選手等の肖像使用について https://www.joc.or.jp/games/olympic/beijing_winter/pdf/marketing_guideline.pdf)
オリンピック開催にともない、オリンピックに関連する事項を取り上げるシリーズ企画第4弾!!今回は、商標使用のルール編となります。
さて、本記事の執筆時には金メダル獲得選手が出ており、この調子で日本選手団にはより一層頑張ってもらいたいと考えている筆者ですが、そもそも、オリンピックの関連用語などの使用ルールはどうなっているんだろうと思い立ち、改めて調べてみました!
そこには、厳しいルールの数々が!
これもすべてオリンピックを守るための措置だとは思うのですが、想像以上の厳しさです。以下で具体的に確認していきましょう。
商標の使用制限の具体例は?
(引用:知的財産保護· 日本代表選手等の肖像使用について https://www.joc.or.jp/games/olympic/beijing_winter/pdf/marketing_guideline.pdf)
まず、赤枠で囲ったものは、商標登録されているものもあり、認められたスポンサー企業以外は使用不可です。
「TEAM JAPAN」や「がんばれ!ニッポン!」等、オリンピックとは関係ないと思われる用語でもしっかり商標登録しているあたり、これらの用語は「オリンピックに使用する!」という強い信念のようなものを感じますね。
では、それに近しい表現はどうなのかと疑問に思いませんか?
もちろん、「TEAM JAPAN」などに近しい表現の使用制限についての言及もありました。
こちらには、オリンピックを想起させるような用語を使用した場合にも、権利行使を行う旨を言及していますね。いやー、厳しい!!そして、商標法だけでなく、不正競争防止法も場合によっては使用する旨の記載があるため、商標登録されている用語とはそれほど似ていなくても権利行使をされることはありうるでしょう。
オリンピック関連用語は商標登録できる?
みなさん薄々お感じになったかと思いますが、オリンピックの関連用語の商標登録も相当厳しいと言わざるを得ません。
というのは、オリンピックのガイドラインなどではなく、商標の審査基準(審査を行うときの参考規定をまとめたもの)にオリンピックに関連する用語は登録できない旨が、元々規定されているためです。
(引用:商標審査基準 商標法4条1項6号 国、地方公共団体等の著名な標章)
まとめ
オリンピック関連用語の商標登録は難しい!便乗使用などの不正手段による事業を行うことはやめ、選手のように正々堂々と戦おう!
以下の記事では、もう少し詳細な説明をしていますので、ぜひお読みください。
オリンピック関連商標って、どれくらい保護されるの?表現規制についても解説します!
弁理士歴7年。商標調査の件数は、5200件を突破しました。 商標のニュースは常に気になり、商標をこよなく愛する商標好きの 事務所勤務の弁理士です。好きな商標の言葉は、登録査定。
Twitter:@syohyosuki
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