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人と共存するロボット開発から生まれた「次世代全自動歯ブラシ」のビジネス戦略

特許庁が運営するスタートアップの知財コミュニティポータルサイト「IP BASE」で、株式会社Genics代表取締役 栄田源氏のインタビュー記事が2023年3月2日に公開された。

出典:IP BASE

株式会社Genicsは、早稲田大学高西・石井研究室のロボット工学の研究成果をもとに設立したロボティクススタートアップだ。誰でも全自動で歯みがきができる「次世代全自動歯ブラシ」ロボットを開発し、口腔ケア機器としての介護施設への導入を目指している。

同社はプロトタイプが完成したローンチ前段階で、特許庁のアクセラレーションプログラムである2020年度のIPASに応募し、採択されている。IPAS参加でビジネスや知財戦略はどのように変わったのか栄田氏がインタビューで答えている。

出典:IP BASE

IPASのメンタリングでは、まずビジネスとしての展開の可能性を整理し、それに対して、すでに持っている知財と、さらに積み上げていく知財を考えていった。特に、特許調査は印象に残っているようで「今までは自分たちが出願するだけで、いかに他人の特許に関心がなかったかを思い知らされました。日本だけでなく海外の類似特許も調べていただいたことで、世界中にいろいろな研究があることを知り、参考になりそうな関連特許をたくさん読み込みました」と述べている。

IPASを経て、2件の特許を出願。新たに出願した特許は、歯の凸凹している形状に対してしっかり磨くための設計方法など、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたもので、海外についてもPCT出願をしているそうだ。

ビジネスの考え方にも変化があった。「従来はモノの開発に集中していて、ユーザーのことはあまり意識していませんでした。製品としていろいろな人に実際に使ってもらうための機能、現場のオペレーション、口腔の歯列データをどのように取得し、活用していくのか、なども考えなくてはなりません。プロダクトそのものの開発だけでなく、これらをパッケージサービスとして考えるようになりました」(栄田氏)

IPASにより事業戦略に沿った知財戦略を専門家と考える中で、開発技術だけでなくユーザーやサービスまで視野が広がったり、国内外の他社特許から参考となる技術を知ったりできる。今後、スタートアップにとってIPASを活用することが競争力を確保するために必須となりそうだ。

参考

https://ipbase.go.jp/learn/ceo/page37.php

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