食品業界、パッケージを含めた商標保護の考えとは？

（この記事は、2024年11月28日に作成したものです。）

企業が市場で商品やサービスを提供する際、他社との差別化は非常に重要です。

パッケージデザインは、商品の第一印象を左右し、ブランド価値を高める重要な要素となります。

今回は、そんなパッケージデザインを商標として出願する意味やそのメリットについてご紹介いたします。

そもそもパッケージデザインで商標は取れる？

パッケージデザインでの商標出願とは？

デザインと言えば意匠の領分で、商標での保護対象ではないと考える方もいらっしゃるかと思います。

ですが調べてみると、商標出願にもパッケージデザインの要素を含んだ出願が多く見られます。

中には、プリッツのように商標と意匠の両方を取得するケースもあります。

商標とは、商品やサービスを他社のものと区別するための目印です。伝統的には、文字、ロゴ、図形などが一般的でしたが、現在では立体形状、色彩の組み合わせ、音、動きなども商標として保護することが可能になりました。

特に、商品の容器や包装に独自性がある場合、そのデザインを商標として登録することが可能です。実際、ヤクルトの容器やコカ・コーラの瓶は立体商標として登録を受けています。

しかし、こと食品分野に至っては、商品名自体の識別力が乏しい場合も多くあります。

商品名で商標登録できるようにブランド化するには、その分の広告宣伝費がかかるだけでなく、お客様にどういった食品か伝わりにくくもなります。

そのため、パッケージデザインとの組み合わせによって商標として登録することで、他社との差別化・模倣の抑止につなげようとする手法が食品業界では多いと考えられます。

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食品パッケージデザインにおける商標出願のメリット3つ

1：ブランドの独占的使用権の確保

パッケージによる印象は顧客への影響力が多く、模倣されやすいものです。商標登録を行うことで、他社は同様の魅せ方ができずブランドの確立に寄与すると考えられます。

2：模倣品対策

特に視覚的に認識されやすいデザインは、模倣のリスクが高いです。商標登録をすることで、法的に模倣品の排除を求めることが可能になります。

3：ブランド価値の向上

最近はミニチュアの商品で様々なものが販売されていますが、ニチレイのような冷凍食品もその対象となることがあります。

商標登録されていれば、そういった際のライセンスにつながるなど、認知拡大・ブランド価値の向上にも寄与します。

参考：ニチレイの冷凍食品がミニチュアチャームになって「ガシャポン®」に初登場！

まとめ

食品関連などの商品名の識別力の出せないことが多い分野では、
こういったパッケージも含めた商標での保護という選択肢もあります。

過去の事例では、白い恋人 vs 面白い恋人の訴訟が2011年にあったりと、活用事例も存在していますよ。

参考：石屋製菓社長「『面白い恋人』面白くない」　吉本提訴 – 日本経済新聞

むじょー

健康関連商品の知財、企画開発や生産立ち上げを経験してきた元エンジニア。皆さまに役立つ情報を発信したいと思いWEBライター活動中。趣味はスポーツ全般、カメラ、映画鑑賞