「NIKE」に似た「NEGI」のロゴが商標出願された話-iPTimes.-

（この記事は、2023年4月24日に作成したものです。）

本記事のここがポイント！！

どんな出願？

今回出願されたのはこちらの商標です。

こちらのTwitterアカウントは、最近出願された商標を呟いて教えてくれるアカウントです。

この商標の出願人は「黒川 ひづる」さんです。

今回出願された商標の商品カテゴリ（出願区分）は、第18類(かばん類ほか), 25類(被服ほか)でした。

出願区分はこの商標を出願した会社が、どんな商品やサービスでこのネーミング等を使いたくて出願したのかを知る手掛かりとなります。

ちなみに本家、NIKEロゴの商標はこちらです。

このロゴは1982年5月25日に登録されており、防護標章登録もされています。防護標章って何？という方は、こちらの記事をご覧ください。

またこの商標はメタバース内での商品販売用として、2021年にも指定商品を違いで出願されていました（商標出願第2021-132597号）。

この出願人の、他の出願も見てみよう

出願人の黒川さんがこれまでに出願した商標を調べてみました。するとなんとも可愛らしい、しかし恐ろしい商標が登録されていましたよ。

こちらの商標の出願区分は第25類の被服，ガーター，靴下留め，ズボンつり，バンド，ベルト，履物，仮装用衣服，運動用特殊衣服，運動用特殊靴，帽子でした。

知財タイムズの記事を漁っていたらやはりありました！その記事はこちらでご確認ください。そしてこの記事で紹介されていた有名ロゴのパロディ商標たちの出願人は「黒川暢朗」さんでした。

NIKEによる商標権侵害訴訟

さて、NIKEといえば超有名メーカーでいわゆる模倣品や類似品との戦いは百戦錬磨です。最近では、今年（2023年）はじめにBAPE®ことA BATHING APEを「スニーカーが酷似している！」と提訴しています。BAPE®といえば猿のキャラクターで有名な原宿発祥のブランドです。

NIKEが訴訟を起こしたのは以下のスニーカーについてです。

表の真ん中の列がNIKEのデザイン、右の列がBAPE®のデザインです。

なお、BAPE®のこちらの商標については、日本で2002年に登録されていました。

BAPE®側は、NIKE側の訴えに対し「この訴状には、関連するシューズの写真などが含まれているがそれだけでは提訴する内容として不十分」などとして、訴えの却下を求めています。

この十数年前の2009年には、NIKE側からこれらデザインについてのライセンス契約の話があったそうです。しかしBAPE®️側はNIKEの権利主張内容が不十分だとして合意しませんでした。BAPE®️は、「相互協力」の提案をしたものの、その後NIKEから返答は来なかったそうです。

まだこの侵害事件は決着がついていませんが、今後の動向から目が離せません。

まとめ

今後、この出願が登録になったかどうか知りたい方はJ-platpatをこまめにチェックしてみると良いかもしれません。

とまとん

特許事務所で６年間勤務。明細書作成や中間処理に従事。翻訳の仕事も請け負ってきました。元々はデザイン系専攻でして、図面を作成するのが一番楽しい時間です。現在はフリーで活動中。