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ポテトチップス商標!秀逸ネーミングもご紹介!

ポテチ 商標
ポテチ 商標

(この記事は2022年2月4日に作成されたものです。)

こんな方に向けた記事です。
☆ポテトチップスが登録商標か否か、しっかり確認したい方へ
☆商標の識別力というものを把握しておきたい方へ
☆登録しやすい商標(ネーミング)のヒントを得たい方へ

仕事や学校が終わり、夜のリラックスタイム。みなさんはどう過ごされておりますでしょうか?私はコーラとポテトチップスをおともに、ゲームというパターンが一番多いです!

そんな時、どこからともなく声が聞こえてきました。

「ポテトチップスって登録商標らしいよ。」

え、そうなんだ!!よし、これは商標弁理士としてしっかり調べよう!そんなことで、本記事を書きました。商品名のネーミングヒントなども詰まった記事になっていますので、ぜひお読みください。

ポテトチップスは登録商標!誰が取得しているの?

先に結論を言います!

ポテトチップスは登録商標であり、株式会社阪急阪神百貨店が権利を保有しております。

なるほど、お菓子メーカーではないんですね。

それよりもみなさんが一番知りたい事実。一般的な名称なのに、商標登録取得できたってこと?

ご安心ください!!

株式会社阪急阪神百貨店は、主に洋服などの衣類、かばん類などで、「ポテトチップス」の登録商標を保有しています。

(引用:特許情報プラットフォーム|J-PlatPat

つまり、洋服やかばんなどで「ポテトチップス」の登録商標を取得しているだけで、菓子では権利を持っていないということが確認できました。

ポテチも登録商標である

実は、ポテチも登録商標なんです。

カンの良いみなさんであれば、「なるほど。これも菓子では権利を取っていないんですね、分かりました。」とお考えになったかもしれません。

が、しかし!!

ポテチは、指定商品「菓子」としてちゃんと権利を取得しています!こちらは、株式会社湖池屋が権利者となっています。

(引用:特許情報プラットフォーム|J-PlatPat

つまり、お菓子を販売する時、ポテチという単語を使用したら、株式会社湖池屋の商標権の侵害となってしまいます。

もしかすると、みなさんは違和感を持たれたかもしれません。ポテチって、もう一般用語のようになっていませんか?と。

確かに、社会生活の実態をみればその通りだと思います。ただ、商標法というのは、一般的な用語っぽくなったからといって、自動的に権利がなくなるという制度はありません。よって、今でも有効に商標「ポテチ」が指定商品「菓子」として存続しており、勝手に使用している人に対して、差し止め請求などの権利行使ももちろん可能です。

ポテトチップス・ポテチは使っていいの?

ポテトチップスおよびポテチが登録商標だからといって、一律に全部の商品に対して使用不可ということにはなりません。

というのも、指定商品と商標の二つが必ずセットになっている必要があるからです。つまり、商品が似ている+商標も似ているという二つを満たしてようやっと、権利の侵害であると言えます。

今回のケースでいうと、「ポテトチップス」という名称を、洋服や靴・かばんなどに使用すると、株式会社阪急阪神百貨店が保有する商標「ポテトチップス」の権利を侵害します。また、「ポテチ」という名称を、ポテトチップスをはじめお菓子全般に使用すると、株式会社湖池屋が保有する商標「ポテトチップス」の権利を侵害するということになります。

商標の識別力要件を考える

さて、ここからは商標の識別力要件というものを考えておきます。

なぜ、唐突にこの識別力要件をお話しするのかというと、ネーミングを考える際に、みなさんのヒントとなるような情報をお伝えしたいと考えたためです。

この記事を読んだ方には、「ふーん、ポテトチップスやポテチは登録商標なんだー」ということ以外にもお土産を持って帰って頂きたい!そして、このポテトチップスという題材は識別力を考察するのにピッタリなのです。

では、そもそも識別力とは?から。

  • 識別力とは、その言葉が商品などの目印としてしっかり機能しうる特徴があるか、ということです。

我々弁理士がご相談を受けるときに、先に似ている登録商標がなければ登録できる!と勘違いされているお客様が結構いらっしゃいます。しかし、登録商標のあるなしに関わらず、識別力要件を満たさない言葉は登録ができず、独占的に使用することができません。

反対に言うと、独占的に使用させるに適さない言葉について、特許庁が登録不可としているのです。まずは、商標を登録するための第一関門のイメージです。

こんな商標は登録不可

では、もう少し識別力要件を詳しくご説明します。

識別力をお伝えするのは、我々弁理士にとっても結構難解なのですが、以下の例をご確認いただくと分かりやすいかもしれません。

  • 鈴木、田中などのありふれた名字
  • JAPAN、東京などの地名
  • 指定商品との関係で商品の品質を示すにすぎないもの
  • 「ポテトチップス」だったら、「辛い(味の表示)」「北海道産(原料の産地表示)」「薄い(形状の表示)」
  • そもそも普通名称である
  • 「ポテトチップス」だったら、そのまま「ポテトチップス」

などとなります。

これは、識別力要件を「満たしていない例」です。

考えてみてください。

鈴木・田中は一人の人に独占的に使用させてしまうと、その他の人がそんなありふれた名字を使えなくなってしまい、すごく困りますよね。地名も同じです。JAPANという言葉を商標権にしてしまうと、産地表示としてのJAPANなどを使用できなくなってしまい、みなに不利益があります。

そのような言葉は、先に出願されているものがあるかないかに関わらず、あらかじめ登録不可としているのです(商標法3条)。

カラムーチョ・すっぱムーチョがネーミングとして秀逸である理由

では、ポテトチップスという具体例を使ってもう少し学んでいきましょう!

ポテトチップスの商品名の中で、私が特に好きなのは、カラムーチョ・すっぱムーチョです(ネーミングとしてですよ!もちろん、味も好きで、どちらかというとすっぱムーチョ派ですけど)。カラムーチョ・すっぱムーチョの商品名は、以下の「いい」商標の要件を満たしています。

  • 1、シンプルで覚えやすい
  • 2、商標登録が可能である
  • 3、商品の用途などを「なんとなく」想像できる

シンプルで覚えやすいという点については、末尾の「チョ」がいいリズムを生み出していますよね。また、単なる味の表現にすぎない、「辛い・すっぱい」ではなく、カラムーチョ・すっぱムーチョという辞書には載っていない味の形容の仕方をしています。

そこがお上手なのです。

カラムーチョ・すっぱムーチョとの商品名を見ると、なんとなく辛そう、すっぱそうが想像できるけれども、味の直接的表現ではない。音数も6音7音でちょうどいい。最後の「チョ」の音で独創性を生み出している。

いやー、何度みても良いネーミングです!!

(引用:特許情報プラットフォーム|J-PlatPat

まとめ

一見、普通名称であるかのように思える「ポテチ」が登録商標であったという事実。やはり、調査を経ない商品名の決定は本当に危険です。ネーミングを考えたら、まずは商標専門弁理士に相談するのが吉ですね!

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