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パルワールドで有名な株式会社ポケットペアの知財活動状況

(この記事は、2024年9月29日に作成したものです。)

昨今、パルワールドで話題となっているポケットペア社の知財活動状況を調べてみました。

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調査の内容&結果

【調査内容】

出願人名:(株式会社ポケットペア or 株式会社パルワールドエンタテインメント)
調査データベース:J-PlatPat

【調査結果】

特許:0件
意匠:0件
商標:株式会社ポケットペア5件

ゲーム会社において、知財活動を積極的に行わないケースはよくあります。

同社についても、商標以外の権利取得は確認できませんでした。

保有商標の確認と考察

現状、ポケットペアの知財としては全5件の商標出願(内3件が登録)が確認されました。

出願内容は、同社が展開するゲームタイトルについてになります。

【ポケットペアが展開するゲームタイトル】

  • オーバーダンジョン
  • クラフトピア
  • AIアートインポスター
  • Palworld
  • Never Grave: The Witch and The Curse

各ゲームのリリース時期と展開方法を確認しました。

ここからは「出願区分」「出願時期」「追加出願された商標」「知財人材の採用状況」を詳しく確認していきます。

ゲームの展開方法と区分

基本的にポケットペアの作品は、Steamなどのプラットフォームでのダウンロード販売によって展開されています。

そのため、商標の区分としては、9類と41類が中心となっています。

こちらはパルワールド商標(登録6525111)の指定商品の詳細です。他のタイトルもほとんど同じ指定商品で権利を取得しています。

9類
ゲーム用プログラムを記憶させた電子回路・記録媒体,コンピュータ用ゲームプログラムを記憶させた記録媒体,コンピューターゲーム用プログラム,電子計算機用プログラム,データ保存管理用コンピュータソフトウェア,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,業務用テレビゲーム機用プログラム,ダウンロード可能な画像・映像・映画,録画済みCD-ROM・DVD・ビデオディスク及びビデオテープ,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,ダウンロード可能な音声及び音楽,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,レコード,電子出版物
09G53 11C01 24A01 24E02 26A01 26D01

41類
オンラインによるゲームの提供及びこれに関する助言・情報の提供,インターネット・携帯電話による通信を用いて行うゲームの提供及びこれに関する助言・情報の提供,ゲームに関するイベントの企画・運営又は開催,インターネット又はコンピュータネットワークを通じた対戦ゲーム大会の企画・運営・開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),電子データ化されたゲーム・アニメーション映像の提供,書籍・アニメーション・おもちゃ・ゲーム等のキャラクターに関する画像の提供,通信を用いて行う映像又は画像の提供,電子出版物の提供,書籍の制作,電子出版物の制作,セミナーの企画・運営又は開催
41A03 41C02 41D01 41E02 41F06 41K01 41Z99

ゲーム自体と、ゲームの提供に関わる観点で商標による保護を行っていることが窺えますね。

リリース時期と商標出願時期

ここで、ゲームのリリース時期と商標の出願時期を再度確認してみましょう。

時間軸を見るに、タイトル公開後に商標出願をしているため、商標を勝手に権利化される”冒認出願”を受けるリスクが高くなっています。

これは日本の商標権が先願主義(早い者勝ちの原理)を採用しているためで、冒認出願を防ぐためにはタイトル公開前に商標出願をしておくのがベストです。

この点から、ポケットペアは知財活動に対する積極性の低い会社ではないかと考えられます。

ちなみに、海外でのパルワールドに関する商標を調査すると第三者の出願が確認できました。詳しくは次の段落で解説します。

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商標出願の追加

出願番号:商願2024-32065
出願日:2024年3月27日
区分:3,14,16,18,20,21,24,25,26,28,29,30,32,35,42,43

本件商標については、区分の補填として追加出願されました。

2024年7月10日に、パルワールドのライセンス事業を目的として株式会社パルワールドエンタテインメントが設立されたことを鑑みるに、事業に先んじて関係のありそうな区分を取得したものと思われます。

なお、マドプロ出願によって、海外への出願にも対応していることが確認できました。

しかし中国の出願人によって、アメリカとイギリスについては、2024年2月の出願によって先に権利を取得されている状況。これがいわゆる”冒認出願”です。

パルワールドの海外展開に際しては、一部で支障が生じる可能性があります。

知財人材の採用状況

2024年9月29日時点での採用情報を確認してみました。

現状の会社の人員規模は40人であり、求人の項目で法務・知財に関する募集はなかったです。

まとめ

ポケットペアならびに同社ゲームタイトル「パルワールド」についての知財情報をまとめました。

結果としては、商標のみ権利を保有し、海外にも出願が行われていることが分かりました。

しかしながら、一部で知財リスクが生じやすい環境もあります。

昨今の訴訟ニュースもあり、知財観点で同社の騒動は続く可能性があるでしょう。

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知財に関する様々なリスクを解説

ポケットペア社に関する知財情報をまとめてみました。
話題となる企業ほど、知財の注意は必要であるといえます。

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