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建築に関する特許を徹底解説!建築特許を取得するメリットも紹介

この記事では建築に関する特許について解説します。

どんな発明が特許として登録されているか、実際の特許を参考に説明していきます!

建築分野で特許を取得するメリット

技術を独占&特許ライセンス料が得られる

特許を取得した技術は権利者の独占技術となり、原則として他の企業は無許可で使用ができなくなります。

もし競合他社が、自分たちの取得した特許技術を施工などで使用する場合、ライセンス料を徴収することが可能です。

メインとなる事業による収益とは別に、特許権のライセンス料で2次収益を得られるようになるのは大きな魅力です。

特許取得企業という、アピールポイントができる

知名度の低い中小企業にとって、特許取得は強力なセールスポイントになります。

町工場のような小さな会社でも、特許を取得することで、高い技術力を持っていることを証明できるからです。

他にも、特許取得企業ということで、金融機関での資金調達がしやすくなるなど、様々な面で企業の信頼度が上がるメリットがあります。

独占した技術を、適正価格でセールスできる!

特許を取得した技術は、取得企業の独占技術となります。

そのため、他の企業に依頼できないような技術だった場合に、値下げに応じずに、適正価格で契約を結びやすくなります。

特に大企業からの下請けの仕事を受ける中小企業では、値下げ交渉をされることもあるでしょう。

特許を取得することで、自社の技術の市場価値を下げずに、有利なポジションでビジネスを進められるようになるかもしれません。

建築の特許の傾向

建築関連の特許は大まかに5つの傾向に分かれています。

防災系特許

住宅やビル、都市などに火災が生じた際の、防災機能に関する技術で特許を取得するパターン。

居住者の身の安全を守ると同時に、火災の被害による経済的損失を抑えるための、建築構造や施工方法などが、特許として登録されているようです。

また、日本の建築において最重要課題の1つである耐震性に関する発明も、防災系にカテゴライズされます。

材料系特許

建築における材料に関連する技術で特許を取得するパターン。

建築物の長寿命化、耐久性の向上や、建築改修コストの削減などに貢献する高品質・多機能な新素材などが特許を取得する傾向にあります。

構造系特許

建築物の安全性や修復のしやすさ、機能性など構造に関する技術で特許を取得するパターン。

建築構造に関する設計方法や、構造技術などが特許として登録されています。

環境保護系特許

省エネルギー、省資源など、環境影響の少ない建築を作りだすための技術で特許を取得するパターン。

エネルギー消費の少ない住宅構造や工業排水の処理方法など、技術の種類に関わらず環境保全につながる発明はこちらのカテゴリーとなります。

脱炭素化などの世界的な動きもあるため、環境問題に関する特許は建築関連でも要注目でしょう。

建築生産系特許

建築生産の合理化などに関する技術で特許を取得するパターン。

情報処理技術を活かした現場のオペレーションの効率化や、欠陥工事の防止技術など、生産活動そのものに関する技術が特許を取得しています。

建築特許の具体例紹介!

環境系の特許の具体例

秋田県の地盤工事をメインに手掛ける土木会社による特許です。

特許名称は「砕石杭形成用のアタッチメントおよびそのアタッチメントを備える砕石杭形成装置」です。

出典:j-platpat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-4445033/09B18535F0C9EC28E22D58DBEEC06A0FD72B511AFCD4F7C345A36A3037E6C656/15/ja)

こちらの特許は、液状化防止のための地盤改良工事に使用する装置に関する発明です。

地盤改良機に独自のアタッチメントを搭載することで、施工の際に排出される土砂を最小限に抑え、廃棄物の減少につながっています。

また、地盤改良に使用する材料を小さく砕いた自然石のみにすることで、地盤改良による土壌汚染も防止しています。

セメントなどを使用しない自然石による地盤改良は、土地の資産価値が下がらないなどのメリットもあるため、不動産を持つ建築会社などのクライアントからも好評なんだそうです。

こちらの会社は、特許と合わせて商標「エコジオ工法」も取得しており、NHKにも取材されています。

また、エコジオ工法による施工の代理店を全国に展開しています。

テレビ取材や代理店展開など、知財権を活かして事業を拡大している成功事例と言えるでしょう。

構造系特許の具体例

大手ハウスメーカー、大和ハウスによる特許です。特許名称は「建物の壁構造」です。

出典:j-platpat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2016-098798/B12215E3ECDCEC9FCCA271B58C2E3FE892BB421F3026EBE1319985294CF1964A/19/ja)

住居の壁などの内部構造を従来のコンクリート製ではなく、プレキャストコンクリート製にすることで、施工時間の短縮、施工作業性の向上、低価格で建築できる建築の壁構造を実現しています。

コンクリート製は、現場でコンクリートを成形する作業が必要なのに対し、プレキャストコンクリートの場合、あらかじめ工場で成形されたコンクリートを現場で使用するため、時間の短縮につながるんだそうです。

大和ハウスは2020年の国内ハウスメーカー特許ランキングで1位を取得しており、特許資産規模もトップクラスであるといわれています。

建築生産系特許の具体例

大手ゼネコン、清水建設の特許です。特許名称は「造成工事における重機の施工ナビゲーションシステム」です。

出典:j-platpat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2003-239287/405BE8977451767524AA74B099E6340E5E9E3C1F55010C2E212BCBDACCB2E8DF/11/ja)

ブルドーザーなどの操作者に対し、オンラインデータを参考に、施工エリアへの誘導指示を可能にするナビゲーションシステムです。

誘導前の測量作業などの必要がなくなるなどの作業時間短縮と、オンラインデータ通信によるリアルタイムでの位置情報把握などで、従来のナビゲーションシステムよりも、管理能力が向上しています。

こちらの特許は、2020年に建設関連で最も引用された特許としてもランクインしており、多くの建設系企業などに審査過程で引用されています。

まとめ

今回は建築関連の特許について解説しました。

大手企業だけでなく、中小企業の建設会社などでも、取得できる知財権があれば、積極的に活用していくのがよさそうですね。

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