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特許の存続期間はいつから?権利の発生から消滅、延長まで徹底解説!

特許権は20年間有効だと聞いたことがあるかもしれません。しかし、いつの時点から20年なのでしょうか?権利の発生や消滅のタイミングを間違って覚えていると肝心なときに権利が切れているということもあります。

今回は特許の期限について、発生日、消滅日、延長が可能な期間などを解説します。

<この記事で分かること>
・審査期間も考慮した特許権が使える期間
・存続期間の延長制度(医薬、農薬)
・特許権の消滅と回復

(執筆:知財部の小倉さん

特許権の存続期間はいつから?

特許権は新規発明を公開することで得られる独占排他権です。もちろん、技術は時が経てば陳腐化していきますので、いつまでも独占排他権を与えるわけにもいきません。そこで特許権には一定の存続期間が設けられています。

特許権の存続期間は出願日から20年

特許権は出願日から20年で存続期間が終了します(特許法67条)。特許権の起算日は「出願日」になりますが、実際には出願後に審査があるため、出願してすぐに権利行使(差止請求や損害賠償請求)が可能になる訳ではありません。

出願後に審査で特許査定となり、お金を払って設定登録がされれば晴れて権利として使うことができます。権利の終わりは出願から20年後ですから実際に権利として使える期間は20年よりも短いですね。

権利化されるまで2年以上!

特許庁が発行している特許行政年次報告書2021年版の統計情報(下図)を見ると、平均FA期間(初めての審査結果の通知までの期間)は約10か月、権利化までの期間は約15か月となっています。

出典:特許行政年次報告書2021年版

出願してからすぐに審査が始まるわけではなく、出願審査請求という手続きを行うことで審査待ちの状態となります。出願審査請求は、出願日から3年以内に行う必要があります(特許法48条の3)。もし、3年を過ぎてしまうと、出願が取り下げられたものとみなされますので、注意が必要です。

海外の特許権の存続期間は日本と同じ?

日本企業がよく進出している米国、中国、欧州も日本と同様、出願日から20年が特許権の存続期間になります。ただし、日本の出願を基礎としてパリ条約の優先権を主張して外国に出願した場合は、日本での出願日から20年になります。

存続期間を延長できる?

特許権の存続期間は出願日から20年ですが、この存続期間満了後も例外的に特許権を存続させる制度として、特許法67条2項と4項に存続期間延長登録の規定があります。どのような場合に、延長されるのか具体的に見ていきましょう。

特許庁の審査が遅延したら延長できる

特許法67条2項には、以下のように規定されています。

存続期間は、特許権の設定の登録が特許出願の日から起算して五年を経過した日又は出願審査の請求があつた日から起算して三年を経過した日のいずれか遅い日以後にされたときは、延長登録の出願により延長することができる

出典:特許法67条2項

これは審査に時間がかかることで、存続期間が短くなってしまうため、その分延長できるという規定です。遅延が「特許庁の不合理な審査」に起因する場合まで、そのしわ寄せを特許権者に負担させてしまうのは酷であるという理由で本規定が作られました。

したがって延長できる期間は、特許庁の不合理な審査により遅延した期間が上限となっています。例えば、特許権の設定登録までにあった審判や裁判に要する期間については延長期間には含まれません。

医薬や農薬など認可が必要なものは延長できる

特許法67条4項には、以下のように規定されています。

存続期間は、その特許発明の実施について安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可その他の処分であつて当該処分の目的、手続等からみて当該処分を的確に行うには相当の期間を要するものとして政令で定めるものを受けることが必要であるために、その特許発明の実施をすることができない期間があつたときは、五年を限度として、延長登録の出願により延長することができる

出典:特許法67条4項

医薬や農薬については、発明が特許を受けたとしても政府からの認可が下りないと、製造販売することができません。そのため、認可を受けるために特許権を使うことができなかった期間があった場合に、存続期間をその分延長できるという規定です。ただし、延長期間は5年が上限となっています。

存続期間の満了以外での消滅

特許権は原則、出願日から20年で存続期間が満了し、特許権が消滅します。その後は公知技術として、誰でも自由に実施することができます。

ただし、その他の要因でも特許権が消失してしまうこともあります。うっかりしていると知らない間に権利が消滅しているということもありますので、具体的に見ていきましょう。

自ら特許権を放棄する

登録時に3年分を支払いますが、その後は1年単位で払ってもいいですし、複数年分をまとめて払うこともできます。登録料(いわゆる年金)を支払わなかった場合、納付期限経過後に権利が抹消されます。

また、放棄による権利抹消登録申請書というものを出すことで未納による抹消を待たずに抹消することもできます。

自分で特許権を放棄することの目的としては、使わない権利の整理があります。特許権はもっているだけで登録料を納付しなければなりません。7年目からは毎年約2万円+(請求項の数×1500円)ほどかかりますので、6年目と比較すると3倍になります。

そこで、使わない特許は放棄することで、特許維持費用を安く抑えられるというメリットがあります。

他社から無効審判を請求される

他社が特許庁へ無効審判を請求し、無効の審決が確定してしまうと、特許権が取り消されてしまいます。競合他社が一番多いケースだと思いますが、無効審判は他社の意志によって発生します。なので、事前に予知することはできません。

ただ、他社が無効審判を請求するということは、出願時の特許調査が不十分だったか、明細書の内容が少ない割に権利が広すぎるなど出願時点での不備が多いと思います。弁理士など専門家に出願前調査や書類の作成を相談しましょう。

登録料の払い忘れに注意!

特許権を放置するなど自分は無いと思ってしまうかもしれません。ただ、特許庁からは権利者への納付期限前の連絡は来ません。すると忙しくていつの間にか年金納付を忘れていたということもあるかもしれません。

この年金の期限管理も特許事務所など外部に任せたり、自動納付などのサービスを利用するとよいでしょう。

参考:権利維持のための手続(年金の支払い)(特許庁)

権利消滅のときに注意すること

特許取得済みの表記は?

特許権を登録したときに対外的なアピールとして「特許取得済み」、「特許登録済」などの表記を特許番号と併せて製品に記載する企業もあると思います。

しかし、特許権が過去に有効だったとはいえ、現時点で消滅している場合には「虚偽表示」にあたることに注意してください。

虚偽表示の罪は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されます(特許法198条)。また、外国でも同様に罪に問われますので、日本で登録であっても外国で登録になっていない特許に関連する製品を輸出するときには十分に注意してください。

消滅した特許を復活できる?

万が一納付を忘れたとしても、納付期限経過後も追納期間として6カ月間は、年金納付をして特許権を回復することができます。ただし、通常の2倍額を支払う必要があります。

さらに追納期間を経過してしまった場合には、6カ月の追納期間を経過した後でも「正当な理由」があれば所定の期間内に追納ができます(特許法112条の2)。

それでも追納ができなかった場合、特許権は消滅してしまします。

まとめ

今回は特許権の期間について、存続期間の起算日や終了日、さらに消滅後の救済措置などを解説しました。

特許は法律でいろいろな期間が決まっており、例外もあります。特許法の内容を正確に把握して、自社で保有する特許すべてについて期限を把握しておくのは難しいと思います。そこは専門家である弁理士や特許事務所を頼ることをお勧めします!

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