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【セカイチ知財-Vol.1-】特許・商標はいつ取得すれば良い?

世界一分かり易い知財戦略

世の中は知財に対する迷信や誤解で満ちています。

誤解したままで知財に注ぎ込むお金は無駄金です。

「セカイチ知財」は名古屋に事務所を構えるブライテック特許事務所が、知財戦略を世界で一番分かり易く解説します。

「世界一分かり易い知財戦略(セカイチ知財)」を読んでいれば、知らない間に正しい知財戦略をイメージできるようになります。

(文責:ブライテック特許事務所所長 弁理士三林大介)

特許・商標の取得を考えるべきタイミング

特許や商標を取得するにはお金が掛かります。

商標はそれほど高くはないものの、特許になると一つ取得するのに、何やかんやで百万円くらいのお金が必要になります。

経営者であれば、「それだけのメリットが有るのか?」と考えるのは当然です。
実際のところ、やみくもに特許や商標を取得してもメリットは得られません。

この点は知財戦略の大原則に関わる重要ポイントですので、先ず初めに、ここから説明したいと思います。

特許や商標の取得を考えるべきタイミングか否かの判断は、実はもの凄く簡単です。

それは、その商品で儲かっていれば特許や商標の取得を検討すべきであり、儲かっていなければ特許や商標の取得を考える必要はないというだけことです。もの凄く単純です。

こう考えて良い理由は、「特許や商標などの知財の本質が、儲けを守ることにある」からなのですが、その点については、おいおいと説明します。

実際には、ここまで単純化してしまうと、現在の法律では特許や商標が取れなくなってしまうことがあるので修正が必要なのですが、それでも、これが本来の姿なのだということは、しっかり覚えておいて欲しいと思います。

ところが、世の中で言われていることは、少し感じが違います。次のようなフレーズを耳にしたことがあるのでは無いでしょうか。

新しいアイデアを思いついた!

それでは早めに特許出願しておきましょう。
でないと将来に困ったことになるかも知れませんよ。

新しい商品名、サービス名を考えた!

それでは早めに商標出願しておきましょう。
でないと将来に困ったことになるかも知れませんよ。

しかし、特許や商標を取らなかったとしても、ほとんどの場合は困ったことにはなりません。

お金を掛けて特許や商標を取ったとしても、掛かったお金は無駄金です。

例えば、素晴らしいアイデアを思い付いて、そのアイデアを組み込んだ新商品を開発したとします。
その新商品がヒットしてくれれば良いのですが、世の中はそれほど簡単ではなく、なかなかヒットしてはくれません。

ヒットしなかった場合、特許を取る意味があったのでしょうか。

商品名やサービス名についても同様です。

素晴らしい商品名やサービス名を考えて大々的に売り出したとしても、実際にはなかなかヒットに結び付いてはくれません。

ヒットしなかった場合、商標を取る意味があったのでしょうか。

このようにヒットに結び付かなかった場合、特許や商標の取得のために掛かった費用は全て無駄金になってしまいます。

「特許や商標などの知財は儲けを守るためにある」という大原則を忘れて、「素晴らしいアイデアや商品名を考えた」という事実から「特許や商標の取得」に直接結びつけてしまうのは間違いです。

儲けが存在しない処には、知財が登場する余地は無いのです。

ですから、特許や商標を取得しようかと迷った時には、「その商品で儲かっているのか」を自問してみて、儲かっていなければ「未だそのタイミングでは無い」と判断しておけば、まず間違いありません。

「新しいアイデアが生まれたら、取り敢えず特許を取っておく」というのは大企業の話です。

もっとも、この説明は単純化し過ぎている部分があるため、実際には修正が必要です。

次回は、この修正点についてお話し致します。

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