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「ゆっくり茶番劇」商標についての新着情報!-iPTimes.-

(この記事は、2023年2月16日に作成したものです。)

こんな方に向けた記事です。
☆「ゆっくり茶番劇」商標問題のその後について気になる方へ
☆ドワンゴの「ゆっくり」関連商標が気になる方へ

本記事のここがポイント!!

Twitterを中心に凄まじいバスりを見せた「ゆっくり茶番劇」商標出願問題ですが、その後ドワンゴさんから「ゆっくり〇〇」という語がいくつか出願されていたのはご存知でしょうか?それら出願に対して審査官の判断が下されました。
今回はこれらの商標出願について「ゆっくり」見ていきましょう。

そもそも「ゆっくり茶番劇」商標とは?

「ゆっくり茶番劇(登録第6518338号)」騒動とは、Youtubeやニコニコ動画などで一般的に多数使用されてきた語「ゆっくり茶番劇」をある出願人が出願したことにより騒動となったものです。この商標は2022年2月24日に登録となり、出願人が異議申し立て期間(登録公報が発行されてから2月)の経過後に、「『ゆっくり茶番劇』という語を使った人から高額な使用料を取る!」と宣言したことから大きな騒動となりました。

※「ゆっくり茶番劇」について商標専門弁理士による見解はこちらの記事に記載されています。ぜひご参照ください。

この騒動を受けてニコニコ動画の運営会社である「株式会社ドワンゴ」は当事者として、この出願人に対し「ゆっくり茶番劇」の「商標権を放棄するように」との交渉に着手しました。交渉の前(2022年5月23日)にドワンゴ側は記者会見を行っています。その内容と商標専門弁理士による見解についてはこちらを参照ください。

結果、この商標出願は権利放棄され2022年6月8日に権利が抹消、無効となっています。

出願人が「使用料を取る!」と宣言した最初の発表からネット上でかなり批判を浴び、数か月で権利の抹消まで動いたこの「ゆっくり茶番劇」騒動、実はまだ続きがあったんです。

ドワンゴさんはこの会見の翌日(2022年5月24日)に「ゆっくり実況(商願第2022-58346号)」、「ゆっくり解説(商願2022-58347号)」、「ゆっくり劇場(商願2022-58348号)」といった「ゆっくり〇〇」と名の付く商標を出願していたのです。

というのも、今後他に「ゆっくり〇〇」という商標が第三者から出願されて登録となってしまうとまた同様の騒動になりかねないため、悪意の登録を防止する目的で商標を出願したということです。

そしてこれらに対する特許庁の審査結果がつい先日(2023年2月7日)に出されました。特許庁審査官の判断としては「この商標は登録をすることができない」というもの(拒絶理由通知)でした。

拒絶理由通知の中身を見てみよう

ここに、拒絶理由通知書の抜粋を示します。

商標出願第2022-058346号の拒絶理由通知書より

この拒絶理由通知書に対し、ドワンゴさんは2023年2月16日付でコメントを発表しています。コメントはこちらの(2023年2月16日追記)という部分をご覧ください。このコメントによると「本拒絶理由通知への具体的な対応方針については検討中」とありますね。

またニコニコ公式さんのTwitterではわかりやすくまとめて解説、コメントを残してくれています。

出典:Twitter ニコニコ公式の投稿より(2023年2月16日の投稿)

この投稿の数時間後には7000件も超えるリツイートをされています。見ているとずっとリツイート数が増えつづけており、それだけ注目度も高いということですね!

このツイートには拒絶理由通知の抜粋と重要ポイントを黄色マークしてくれた画像も掲載されています。

Twitter ニコニコ公式の投稿より

一般的に商標出願の拒絶理由を解消したい場合は、拒絶理由通知書の発送の日から40日以内に意見書を提出することができます。

しかしこのつぶやきにもあるようにドワンゴさんは「ゆっくり〇〇」という語はみんなが安心して使えるようになってほしいということですし、拒絶理由通知に対して「意見書を提出してなんとしてでも登録させよう!」という動きはないと推測されます。そしてこのまま拒絶が確定すれば「ゆっくり〇〇」という語を第三者が勝手に出願するのを牽制することができるでしょう。

なお「ゆっくり茶番劇」のように無関係の第三者が商標出願をしたり、一般的に使用されている語を出願するケースが多いのは、最初に出願した人に権利を認める「先願主義」が原因と考えられます。日本では特許や商標などの知的財産権について「先願主義」を採用しています。

「先願主義」の反対は「先発明主義」です。先発明主義では急いで出願しなくてもよいというメリットがある一方で、本当に先に発明したのか?を証明するのが難しい、「自分が先に発明したのだ」という主張が出るたびに審査をしなければならないといったデメリットもあります。

まとめ

「ゆっくり茶番劇」騒動の続き、「ゆっくり〇〇」商標の今後の動向が気になります。またドワンゴさんは果たしてどう動くのか?にも注目していきたいと思います。

もっと今回の「ゆっくり〇〇」商標の出願内容を詳しく見てみたい方、登録になったかどうか知りたい方はJ-platpatをこまめにチェックしてみると良いかもしれません。

まだまだ完全収束とはなっていない「ゆっくり茶番劇」、ますます目が離せませんね。

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