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中小企業が特許を経営に生かす方法!事例を交えて解説します!

中小企業 特許

「特許登録になったけどメリットが実感できない」、「特許の費用対効果を経営層にうまく説明できない」など特許の必要性は感じつつも、経営に役立っているか分からないですよね?

今回は特許を経営に生かす方法を、中小企業での活用事例を紹介しつつ解説します!

<この記事でわかること>
・特許を経営に生かすための情報の見つけ方
・特許を経営に生かした中小企業の事例紹介

(執筆:知財部の小倉さん)

特許を経営に生かすヒント

一般的な特許出願の必要性としては、「自社のアイデアを保護する」や「他社に権利を取らせない(防衛出願)」などが挙げられます。その他の必要性やメリットは、こちらの記事で詳しく解説しています。
特許出願の必要性とメリットを企業知財部が解説!

一般的な特許出願の必要性は、企業として特許出願を始める十分な動機になると思います。しかし、特許出願を継続すると費用も膨らみますので特許が経営に生かせている実感が欲しいところですよね。

インターネットで公開されている成功事例を目標にしよう!

特許を経営に生かすと言っても具体的な目標がイメージできなければ行動に移すことができません。

そこで特許庁などの公的機関が公開している知的財産活用事例を見てみることをオススメします。代表的なホームページを以下に紹介します。

特許庁ホームページの知的財産権活用事例

特許庁は知的財産の活用に関する情報が豊富です。以下のホームページには、知的財産を経営に活用するための資料や、商標・意匠といったピンポイントの法律をビジネスに活用するための資料などが公開されています。

参考:特許庁 知的財産権活用事例

2020年6月に公開された「経営戦略を成功に導く知財戦略【実践事例集】」では、企業が経営戦略の中に知財戦略を浸透させたプロセス等を記載した23事例が掲載されています。また、本事例集に関する無料ウェビナーも2020年12月に開催されており、基調講演パネルディスカッションに参加して直接の話を聞くこともできます。

INPIT知財ポータルの支援事例

工業所有権情報・研修館(INPIT)は、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)という特許情報の検索・閲覧サービスを無料で提供しています。その他「知的財産人材の育成」や「事業成長のための知財支援」などのサービスも提供しており教育資料が豊富に公開されています。

INPITは知財総合支援窓口を全国47都道府県で設置しており、中堅・中小・ベンチャー企業が抱える経営課題や、アイデア段階から事業展開までの知的財産に関する課題や相談を受けています。知財総合支援窓口で支援した事例も公開されています。

参考:知財ポータル 知財総合支援窓口 支援事例

内閣の知的財産戦略本部ホームページ

内閣の組織である知的財産戦略本部も知的財産を経営に生かすための情報を公開しています。具体的には、知財が企業の価値創造において果たす役割を評価して経営をデザインするためのツールとして「経営デザインシート」とその活用事例も併せて公開されています。

参考:首相官邸 知的財産戦略本部 経営をデザインする

特許を活用している企業はたくさんあります!

これまで紹介したホームページを見てみると多数の企業における特許の活用事例を読むことができますが、長い文章を読むのに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは特許庁が公開している中小企業の活用事例集「Rights」の中からピックアップして解説したいと思います。

特許庁 知財活用事例集「Rights」

Rightsは2020年4月に発行された事例集で、以下のような特徴があります。

  • 知的財産活動に取り組み、経営に生かしている中小企業20事例を紹介
  • 知財活用のメリット”に着目し、各事例がどのようなメリットを有するかを分析し、知財に不慣れな方にもわかりやすく提示した中小企業向け事例集は、特許庁“初”。(2020年4月発行)

本事例集は、以下の4カテゴリで事例を分類しています。

  1. 知的財産から読み解くニーズ
  2. 社内環境に貢献する知的財産
  3. 事業展開に知的財産を生かす
  4. 知的財産が生み出す新しい価値

各カテゴリから事例を一つピックアップして説明します。

事例1:知的財産から読み解くニーズ

先人の英知が詰まった特許文献は最高の参考書」(株式会社ジンノ工業)の事例を紹介します。ジンノ工業はプラントの配管・設備工事や洗浄などの請負事業をしており、10年前からオリジナル製品の開発に取組んでいます。

ろ過設備のフィルター洗浄作業を頻繁に行うのが大変という顧客の声から、ろ過器を通過したゴミを微細な泡(マイクロバブル)に付着させ浮上させる技術をジンノ工業は開発しました。

マイクロバブル発生に関する技術は、ジンノ工業には未経験の分野だったため知財総合支援窓口に相談しつつ特許検索をしてみました。すると、マイクロバブル発生に関する登録特許を製法とともに確認することができたのです。

新製品をゼロから作ろうすると莫大な時間とコストがかかりますが、今回のように技術文献として特許を利用することで、技術者の苦悩や発想のポイントを読み取ることができたようです。

その後、他社特許からヒントを得たジンノ工業は、さらに新規性や進歩性を加えた自社技術を開発して製品化することができました。

この事例のように技術開発の前に特許出願による技術動向調査を行うことは効果的ですね。一般的な技術水準を理解することができるため特許出願するときにも登録しやすくなりますし、製品設計するときにも他社特許を回避できるようになります。

事例2:社内環境に貢献する知的財産

次は「 充実した発明評価制度が人を育て、技術が磨く」(興研株式会社)の事例です。興研株式会社は主にマスクを作っている会社で、建設現場用マスクや医療用マスクなど多様なマスクを作っています。

興研株式会社は人を育てるシステムが充実しており、発明に対する評価システムも充実しています。例えば、技術者の意識を高めるため年に1回発明審査委員会を開き発明を評価しています。参加者には経営者と発明者が含まれています。

発明は「オリジナリティー」、「市場に対するインパクト」、「期待利益」の3軸で評価され、ここでの評価が報奨金や昇給に反映されます。自分の特許を経営者に直接アピールして、経営者から評価の理由を説明してもらえます。経営者からの意見を次の発明に生かすことができるので、技術者と経営者との良き意見交換の場となっているのではないでしょうか。

また、興研株式会社の経営者は新しい技術が出たときの出願戦略を立てる会議(知財会議)にも出席して具体的な方策も指示しています。ここでは、権利範囲の妥当性、面接審査の利用促進など実務の話もします。

経営者が特許に関心を持っていることで、技術者も自然と特許に力が入るような環境が作られていますね。経営者の言葉だけでなく、会議でのツッコミや評価への反映など具体的な行動により技術者の意識も変わるのですね。

事例3:社内環境に貢献する知的財産

次は「技術を「翻訳」して、知的財産が売上に変わる」(ののじ株式会社)の事例です。ののじ株式会社は、子供達が使いやすい学校給食食器などの商品を販売しています。

特許権を取っている技術は新規性があるため、「今までにない」技術になります。ののじ株式会社は、メディアへの露出戦略に特許権も活用しています。

世の中にないものを消費者に理解してもらうため、特許の内容を翻訳して伝えています。例えば、包丁の場合「グリップが太くて、テコの原理で力点が・・・」という説明でなく、「固いものが楽に切れる」や「力を入れずにカボチャがザクザク切れる」という表現の変換をします。

また、全社員の知財教育にも取り組んだことで、自他社製品の技術的な違いを理解したうえで営業や広報活動ができるようになりました。また、全社員参加の新商品・新サービスのアイデア発表会にも特許や意匠の話が出るなど技術レベルも上がりました。

特許の技術を翻訳して伝えるというのは初めて聞きましたが、確かに新技術を分かりやすく伝えることができれば宣伝効果アップ間違いなしですね!

ののじ株式会社は商品を販売する会社でしたが、知財教育を通して技術レベルが向上し、今や商品開発も考えているようです。すごいですね!

事例4:知的財産が生み出す新しい価値

最後に「 開放特許によって生まれた知財パートナーシップ」(株式会社ジーアイシー)の事例です。株式会社ジーアイシーは、建設コンサルティングからシステム開発事業へ事業展開しました。

株式会社ジーアイシーは鳥取県からの依頼を受けて開発していた、熊・鹿・イノシシによる住民への危害や農作物被害を防ぐ感知センサーを、入院患者の転倒事故を防ぐための見守りシステムに応用できないか相談を受けました。

しかし、株式会社ジーアイシー単独では解決できない課題があり、「センサーによる人の見守り技術」という特許を開放していた富士通と手を組み、見守りシステムの実用化を達成しました。

特許を使わせてほしい人と使ってほしい人を上手くマッチングして事業化した良い例ですね。まさにWin-Winの関係が築けています!

自社に合った特許の活用を考えてみましょう

特許庁の知財活用事例集「Rights」から4つの事例を見てきましたが、経営者が強い意志を持って知財を活用していました。

今まで特許は万が一の備えのような扱いだったかもしれませんが、積極的に使うことでパートナー探し広報にも役立つことが分かりました。

自社の中でこれらの事例に近い状況があれば、参考になると思います。他にもたくさんの事例が紹介されていますので、ぜひ読んでみることをオススメします。

まとめ

今回は特許庁の資料を使って、中小企業が特許を経営に生かす方法を解説しました。

中小企業は自社の強みを守るために、積極的に特許を取得し知財戦略を練っています。

今回の事例に取り上げられた会社も最初は弁理士など専門家に相談しつつ、自社の方針に合った戦略を打ち出していました。

自社にとって最適な知財戦略を打ち出すには、自社の強みや状況を理解してくれる弁理士の存在が必要不可欠です。

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