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キャラクターの商標の取り方!有名3キャラクターの商標出願の区分や傾向を徹底分析!

商標 キャラクター

企業や自治体の認知度を高めるための手段として、キャラクターを使うことが増えています。特に、自治体ではくまモンやひこにゃんに代表される「ゆるキャラ」の出現により、広告宣伝を超えて一大ムーブメントに発展しました。

有名キャラクターは模倣されやすいので、知的財産権を取得して保護したいところです。しかし、どのように保護すればいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?

今回は「ひこにゃん、くまモン、ドラえもん」の有名3キャラクターについて商標の区分や出願傾向を分析しつつ、キャラクタービジネスにおける商標戦略を解説します。

<この記事でわかること>
・商標の基礎知識(区分・種類について)
・キャラクターとして取るべき商標区分
・キャラクタービジネスの種類に適した商標戦略

(執筆:知財部の小倉さん

区分とは

商標の区分は全部で45種類に大分されており、区分数が増えるたびに費用が発生します。区分内で指定商品・指定役務と呼ばれる、商品やサービスの詳細を指定する必要がありますが、何個指定しても追加で費用は発生しません。

詳しい内容はこちらで解説しています。
商標の区分とは?

種類とは

商標には文字・ロゴ・音声・形状など、様々な種類があります。

詳細はこちらの記事で解説していますので、確認しておいてください。
商標の種類!現役弁理士がわかりやすく解説します!

キャラクタービジネスで取得すべき区分

区分 内容備考
9携帯電話用のストラップスマートフォン関係の商品は必須ですね。インターネットを利用してダウンロードされる音楽ファイル画像ファイルアプリも該当します。
14キーホルダーキーホルダーはお土産には最適ですね。身飾品時計も含まれます。
16印刷物文房具類も含まれますので、学生がターゲットであるキャラクターとして必須の区分です。
25被服キャラクターもの運動用特殊衣服着ぐるみ用衣服も該当します。家で着るパジャマなどもキャラクターものが多いですよね。
28おもちゃ人形マージャン用具もこちらに含まれます。
29乳製品、ふりかけふりかけお茶漬けもキャラクターものが多いです。毎日買うものはどうせなら子供が喜ぶものを親としては選びたいですね。
32清涼飲料乳清飲料飲料用野菜ジュースも含まれますので小さい子向けにも販売したい商品です。

モデルケースで解説!商標取得の費用

商標の取得費用の相場は1区分・5年間での出願の場合、約17万円です。

  • 合計費用:173,400円
  • (内訳)特許庁費用:53,400円
  • (内訳)弁理士費用:120,000円 (弁理士会調べの平均費用)

ロゴ・キャラクター名の商標で2区分・5年間でとった場合の費用を見てみましょう。

ロゴ2区分取得340,000円
キャラクター名 2区分取得340,000円
合計680,000円

弁理士費用は事務所によって多少上下しますが、上記が平均的な費用感です。

使用するロゴや該当する区分などを全て取得できれば安心ですが、2種類を2区分取得しただけでも5年間で約70万円の費用がかかります。

予算や事業内容を考慮し実際どこまで取得しておくべきなのかを決めるのが商標取得のポイントとなってきます。

それでは実際に有名3キャラクターの取得している商標について解説していきますので、参考にしてみてください。

ひこにゃんの事例

ひこにゃんは滋賀県彦根市のキャラクターで、2007年に築城400年を迎えた彦根城の記念イベント「国宝・彦根城築城400年祭」のイメージキャラクターとして登場しました。

キャラクターの原案者は「もへろん」氏で、名前は一般公募から選定されました。

(出典:ひこにゃん公式サイト

ひこにゃんの商標権者

商標権者は「彦根市」となっています。

彦根市が取得している商標

彦根市はひこにゃんに関して以下の商標を取得しています。

  • イラスト(左)
  • 名称  (真中)
  • 写真  (右)

(出典:J-PlatPat:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

各商標の取得区分は以下の通りです。

イラスト09,14,16,25,28,29,30,31,32
名称09,14,16,25,28,29,30,31,32
写真09,14,16,25,28,29,30,31,32

彦根市はひこにゃんに関して9区分の商標権を取得しています。

携帯電話用のストラップ、キーホルダー、文房具、衣服、おもちゃなど、キャラクターグッズに関する区分が並んでいます。また、29~32は食料品が並んでおり、お土産のお菓子にも使うのでしょう。

マスコットキャラクターとしては、オーソドックスな商標権の取り方と言えます。

ひこにゃんの商標戦略

商標権の利用に関しては、 彦根城築城400年 イベントを盛り上げるため、2006年当初は無料として広く個人や企業に開放していました。

2010年から有料化し、商品の小売り販売総額に予定生産数をかけた金額の3%を許諾料として徴収することになりました。無断で利用する者には権利行使をしており、原案者のもへろん氏を提訴するなど権利活用によるブランドの保護に力を入れています。

ひこにゃんは、イラストが2種類、写真が1種類と複数のポーズが商標登録されていました。くまモンやドラえもんと比較しても多いですが、それでも3種類とバリエーションは少ないです。商品に付けるイラストのポーズはある程度統一しているのかもしれないですね。

くまモンの事例

くまモンは、熊本県が2010年(平成22年)より「くまもとサプライズ」キャンペーンにおいて展開している熊本県PRマスコットキャラクターで、水野学氏のデザインです。

2011年の九州新幹線全面開業へ向けて、近畿地方・中国地方をターゲットにして認知度をアップさせるためにくまモンが誕生しました。九州新幹線では熊本駅が終着駅にならないため、通過駅として扱われるという危機感があったようです。

(出典:くまモンオフィシャルホームページ

くまモンの商標権者

商標権者は「熊本県」となっています。

熊本県が取得している商標

熊本県はくまモンに関して以下の商標を取得しています。

  • イラスト(左)
  • 名称  (真中)
  • ロゴ  (右)

(出典:J-PlatPat:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

各商標の取得区分は以下の通りです。

イラスト03,04,05,09,11,12,14,18,20,21,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,35,36,39,41,42,43,44,45
名称03,04,05,09,11,12,14,18,20,21,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,35,36,39,41,42,43,44,45
ロゴ42

熊本県はくまモンに関して28区分も商標権を取得しています。

お土産やおもちゃを想定した区分以外にも金融、鉄道、旅行、美容など広く使うことで人々の生活に深く浸透させようとしている意思が伝わってきます。

くまモンの商標戦略

ひこにゃんと異なり、くまモンの商標権は国内企業であって、熊本県のPRに繋がるのであれば原則無料としオープン戦略を採っています。さらに個人の非営利目的の利用であれば許可もいらないそうです。

利用制限がユルいことでくまモンの利用が促進され、認知度もどんどん上昇しました。

商標は流行りのものを個人が登録して、商標権侵害と言われてしまうこともあります。しかし、くまモンのように28区分にわたって広く権利を押さえていれば、使う側としても安心感がありますね。

また、「熊本県認定ブライト企業」のロゴにもくまモンを組み合わせており、熊本県を代表するキャラクターとして全面に出ています。

ドラえもんの事例

ドラえもんは、1969年から1996年まで小学館の雑誌で連載されていた漫画で、作者は藤子・F・不二雄氏です。

現在ではテレビアニメや映画でも小学生を中心に国民的キャラクターとして人気を博しており、日本だけでなく東アジアや東南アジアなど海外でも人気が高いです。

ドラえもん - Wikipedia

(出典:Wikipedia ドラえもん

ドラえもんの商標権者

商標権者は「株式会社小学館集英社プロダクション」となっています。

小学館集英社プロダクションが取得している商標権

株式会社小学館集英社プロダクションはドラえもんに関して以下の商標を取得しています。

  • 名称  (左)
  • ロゴ  (右)

(出典:J-PlatPat:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

各商標の取得区分は以下の通りです。

名称06,07,08,09,11,12,15,16,17,19,20,21,26,28
ロゴ02,08,09,14,16,18,20,21,24,25,26,28,29,30,32

小学館集英社プロダクションはドラえもんの名称に関して14区分、ロゴに関して15区分で商標権を取得しています。

ドラえもんのイメージと同じ商品に対して使っているのはロゴのようで、食料品、文房具、おもちゃが指定商品として並んでいます。名称の方は、機械器具、アーク溶接機など工場で使うような機械に関連する指定商品が並んでいます。遊園地用機械器具も指定商品に記載されていますので、こちらをよく使っているのかもしれません。

ドラえもんの商標戦略

ひこにゃん・くまモンと同じように、キャラクター名は商標登録されていました。また、ゆるキャラはイラストも商標登録されていましたが、ドラえもんはロゴを登録していました。これは、商品や役務にロゴを付ける方針なのでしょう。

特に、ドラえもんのような漫画やアニメから出てきたキャラクターであれば、イラストが無数にあるので共通で使うロゴを決めておく方がいいかもしれませんね。

それではドラえもんの絵や動きをマネしてビジネスを展開するとどうなるのでしょう?

その場合は著作権で相手に対抗することになります。著作権は商標権とは異なり、創作した時点で権利が発生します。しかも、著作者の死後70年もの間にわたって保護されます。

ただし、権利行使のしやすさで考えると、著作権の方が不利です。別の著作者がオリジナルで作成したキャラクターがたまたま似てしまった場合は、権利行使が難しくなるからです。

商標権は権利範囲に入っていれば、たまたま似てしまったとしても権利行使できます。商標権侵害をした者に言い逃れを許さないよう商標権を取っておくことは重要なのです。

まとめ

今回は有名3キャラクターの商標の取り方を解説しました。それぞれのキャラクターで特色が見られましたが、全体としては以下の戦略があることが分かりました。

  • キャラクター名の商標権を必ず取得している。
  • 商品や役務に付けるロゴやイラストは、代表的なものに数を絞って商標権を取得している。
  • 意匠権は登録されていない。
  • アニメや漫画に関しては著作権の保護を活用していると思われる。

意匠権が登録されていないのは意外でしたが、意匠は物の形状ですので当然かもしれません。キャラクタービジネスでは色々な物にキャラクターを付けて売るというやり方ですので、物の形状を特定する意匠よりも商標の方が保護しやすいのでしょう。

また著作権と異なり、商標権はたまたまキャラクターが似ていた場合でも権利を侵害する者を訴えることができます。しかも、早い者勝ちという側面もありますので、キャラクターを使ってビジネスをしようとするのであれば、早期に出願しておくことをおススメします。

パテントトロールのような、流行りものを素早く商標出願して権利行使しようとする個人もいます。他者に商標権を取られてしまうと、自分がオリジナルで生み出したものであってもキャラクター名を変えなければならないなど多額の費用を負担することになってしまいます。

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