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CES 2024にも出展された最先端技術の紹介&知財動向のリサーチ

毎年1月にアメリカのラスベガスで開催されるCES(Consumer Electronics Show)は、世界中の革新的な技術が一堂に集まる、世界最大規模の家電見本市です。

ここは最先端の技術やトレンドの発信地として注目され、Sonyやパナソニックといった日本の企業も多く出展しています。もちろんベンチャー企業も出展が多くあります。

そして各企業は知財対応もしっかり行い、満を持して展示に参加しています。今回は、技術も優れ、知財対応もしっかりと進んでいる特徴的な2社ご紹介いたします。

余談ですが、こういった展示会前に知財対応をしないとどうなるか?がドラマ「それってパクリじゃないですか?」で描かれています。該当する第1話第6話の解説記事もぜひ読んでみてください。

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社

ピクシーダストテクノロジーズは、吸音材「iwasemi(イワセミ)」シリーズの展示をしていました。

吸音材と言えば、スポンジ状のものや綿を詰めた壁がイメージされることが多いですが、この商品はガラスのような透明な構造物で、デザイン性に富んだものになっています。

特許と意匠を調べたところ、数点関連するものがありましたので、以下に記します。

意匠登録:1761293号
物品の名称:吸音材
権利者:ピクシーダストテクノロジーズ株式会社

本物品は、例えば室内で発生する各種の音を低減するために用いられる吸音材である。各種の音は、フェースパネルに設けられた穿孔から、複数のリブで区切られたベースパネル内のスペースに入ることにより、吸音される。使用状態を示す参考図2乃至3に示すように、複数の本物品を任意の方向につなぎ合わせ、壁面や窓等に貼り付けて使用することができる。本物品のフェースパネルの背面側全面にはゆるやかな略円弧状の凹凸が所定の間隔で形成されている。これにより、使用状態を示す各参考図に示すように、正面視斜め平行状の規則的な連続模様が表れる。

公開番号:2023-085932
発明の名称:吸音部材
出願人:ピクシーダストテクノロジーズ株式会社

広い周波数帯域の音に対して吸音効果を発揮する吸音部材を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る吸音部材は、音波が入射可能な複数の穿孔が形成された穿孔板と、穿孔板と間隔をあけて対向して配置される支持板と、穿孔板および支持板に連結され、その内側に複数の吸音空間を区画する複数の隔壁を有する隔壁部材と、を備え、複数の吸音空間は、吸音特性が不均一である。

独特な構造が、吸音性を発揮するようです。

このユニークな吸音部材はCESでも注目されており、「CES 2024 Innovation Awards」という賞も受賞しています。

ViXion株式会社

ViXionは、自動的にピントを合わせてくれるアイウェアの展示をしていました。本技術は多くのメディアにも注目され、CES 2024の報道でも取り上げられていました。

【参考】CES2024スタートアップ大特集 必見!世界初の携帯オーブンや発電ガラス ヘルステックからペットテックまで!【CES2024】|SPECIALコンテンツ|テレ東BIZ

出典:PR TIMES

CES広しといえども、このようなデバイスを展示しているのは、ViXion社だけでした。

受賞をしたり報道されたりと大きく注目されていることから、今後この製品の競合が現れることも考えられます。

ベンチャー企業では、関心が低くかったり金銭的余裕がなかったりすることで、知財活動に取り組まないケースがあります。結果として競合にアイデアを容易に真似られて、対応が後手に回ることも珍しくありません。

ですがViXion社の場合は、本技術に関して特許出願も複数行っており、技術の保護も進められていました。今後の会社の成長についても大いに期待できそうです。

公開番号:2023-006148
発明の名称:制御装置、眼鏡レンズ装置、眼鏡、制御方法、プログラム
出願人:VIXION株式会社

要約
装用者の視線が変更されても、眼鏡レンズの本来の機能を発揮することを可能にする。
【解決手段】装用者の眼に対する眼鏡レンズ3,3の位置及び向きのうちの少なくとも一方を制御する制御装置10であって、装用者の視線方向を検出する視線方向検出部21A,21Bの検出結果に基づいて、前記眼鏡レンズ3,3の光軸の位置及び方向のうちの少なくとも一方が変化するように、該眼鏡レンズ3,3を移動させるレンズ移動手段6(駆動部601,602,603)を制御する制御部を有することを特徴とする。

公開番号:2023-040833
発明の名称:レンズ制御装置、眼用レンズ装置、眼鏡、制御方法、プログラム
出願人:VIXION株式会社

要約
照度が低い暗所での視力低下を改善する。
【解決手段】眼用の可変焦点レンズ3,3の焦点距離を制御するレンズ制御装置10であって、前記可変焦点レンズ3,3を介して視認される視認エリアの照度を検出する照度検出部21の検出結果に基づいて、前記可変焦点レンズ3,3の焦点距離を制御する制御部を有することを特徴とする。

まとめ

今回は、CES 2024のなかでもで注目されていた2社をご紹介しました。

この他にも多くの企業がCES 2024に出展しており、現地レポートも多く発表されています。

興味がわいた方はぜひ調べてみてはいかがでしょうか。

そして、これからいずれかの展示会への出展を考えている企業の方は、ぜひ知財対応も万全にして進められることをご検討されてはいかがでしょうか。

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