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飲食業の商標の取り方!有名3社の商標区分と種類を徹底解説!

カフェ、レストラン、居酒屋など、いつか自分のお店を持つのが夢という人は多いですよね。
アパレルショップや本屋にカフェを併設するといった例も増えています。

商標登録は、自分のお店を守るための大切な手続きです。

そこで今回は、大手飲食チェーン3社の商標の取り方を解説します。誰もが名前を知っているであろう有名チェーンばかりですが、商標の取り方はそれぞれ異なりますので自社の商標取得の参考にしてみてください。

<この記事でわかること>
・商標の基礎知識(区分・種類について)
・飲食業が取るべき商標区分
・大手飲食チェーンがどのように商標を取得しているか

区分とは

商標の区分は全部で45種類に大分されており、1区分出願ごとに費用が発生します。
区分内で指定役務と呼ばれる、商品やサービスの詳細を指定する必要がありますが、何個指定しても追加で費用は発生しません。

詳しい内容はこちらで解説しています。
商標の区分とは?

種類とは

商標は、文字・ロゴ・音声・形状など、形式も様々です。

詳細はこちらの記事で解説していますので、確認しておいてください。
商標の種類!現役弁理士がわかりやすく解説します!

飲食業が取得すべき区分

飲食業が取るべき商標としては43類「飲食物の提供」が挙げられます。
加えて、テイクアウトの展開も考えているなら、パンやコーヒー、お弁当などが含まれる30類、清涼飲料水やビールが含まれる32類も併せて取得しましょう。

他にも商品展開・事業展開により必要となる区分がありますので、下記の一覧表をご覧ください。

区分 内容備考
29動物性の食品、加工した野菜などジャムやチーズなどをテイクアウトで販売する場合は29類に該当します。
30植物性の加工食品、調味料パン、コーヒー、お弁当のほか、たこ焼きやアイスクリームのテイクアウトも30類です。
32ノンアルコール飲料、ビール清涼飲料水やジュース、ビールをテイクアウトする場合は32類に該当します。
33ビールを除くアルコール飲料果実酒や酎ハイなどビール以外のアルコール飲料のテイクアウトは33類です。
45飲食物の提供レストランのように店内で消費する飲食物を提供するサービスが該当します。こちらは必須で取得しましょう。

店舗名だけでなく、オリジナルの商品名の商標登録を考えている人もいるでしょう。該当する区分を全て取得となると、かなりの費用がかかってしまう場合もあります。

そんな時は、注力事業に絞って出願する事業の展開次第で後から出願するなど、臨機応変に対応しましょう。

モデルケースで解説!商標取得の費用

商標の取得費用の相場は1区分・5年間での出願の場合、約17万円です。

  • 合計費用:173,400円
  • (内訳)特許庁費用:53,400円
  • (内訳)弁理士費用:120,000円 (弁理士会調べの平均費用)

ロゴ・カタカナ表記の商標で2区分・5年間でとった場合の費用を見てみましょう。

ロゴ2区分取得340,000円
カタカナ2区分取得340,000円
合計680,000円

弁理士費用は事務所によって多少上下しますが、上記が平均的な費用感です。

使用するロゴや該当する区分などを全て取得できれば安心ですが、2種類を2区分取得しただけでも5年間で約70万円の費用がかかります。

予算や事業内容を考慮し、実際どこまで取得しておくべきなのかを決めるのが商標取得のポイントとなってきます。

それでは実際に有名3社の取得している商標について解説していきますので、参考にしてみてください。

ジョナサンの事例

ジョナサンとは

ジョナサン

出典:ジョナサンホームページ(https://www.skylark.co.jp/jonathan/

すかいらーくグループのファミリーレストラン、ジョナサン。1号店をオープンさせた1980年当初のコンセプトはコーヒーショップでした。

その後、ファミリーレストランタイプへ変更。接客サービスや店舗の清潔感の向上、なるべく冷凍食材を使わず鮮度の良い食材を使用するなどのこだわりがユーザーからの支持を集め、事業を拡大させてきました。

宅配サービスも展開しており、令和3年6月現在、全国で約220店舗が営業しています。

ジョナサンが取得している商標

ジョナサンは下記の商標を取得しています。

  • ローマ字表記
  • ロゴ(8種類)
ジョナサン商標

(出典:J-PlatPat:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

9個の商標の中から3つをピックアップしました。

それぞれの商標の取得区分は、以下の通りです。

サービス名(ローマ字表記)35
ロゴ①(右上)1,5,16,29,30,31,32
ロゴ②(右下)43

ジョナサンの特徴

ジョナサンは、ロゴ①で29類・30類を、ロゴ②で43類を取得しています。テイクアウトと店内での提供、両方に対応した取得の仕方です。

さらに、30類の中でもコーヒーやパンなどの役務を後から追加で取得しています。

このように、業務拡大などにより該当する区分や役務が増えた時には、後から追加で取得できます。区分は追加取得にも費用がかかりますが、役務の追加は費用がかかりません。

レストランの看板などに使われているロゴ②は、必要最低限の区分のみの取得となっています。

スターバックスコーヒー の事例

スターバックスコーヒーとは

スターバックスコーヒー

出典:Starbucks Coffee Japan ホームページ(https://www.starbucks.co.jp/

スターバックスコーヒーは、1971年にアメリカでコーヒー豆の焙煎会社として創業しました。

1987年、コーヒーの店頭販売で成功した元社員(のちの名誉会長)がスターバックスの商標と店舗を買い取り、コーヒーチェーン店へと拡大させると、「シアトル系コーヒー店」として人気に火がつきました。

2020年現在の店舗数は、90の国と地域であわせて32,660店あまり。タンブラーやマグカップなど関連グッズも多く展開しています。

スターバックスコーヒーが取得している商標

スターバックスコーヒーは下記の商標を取得しています。

  • ローマ字表記(106個)
  • ロゴ(214個)
スタバ商標

(出典:J-PlatPat:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

320個の商標の中から5個をピックアップしました。

各商標の取得区分は以下の通りです。

商品名(ローマ字表記)30
ロゴ①(中上)16,18,25,30,43,35,36
ロゴ②(中下)29,30,32,35,43
ロゴ③(右上)7,9,11,14,18,21,25,28,29,30,32,35,36,38,41,42,43
ロゴ④(右下)3,7,11,16,21,29,30,32

スターバックスコーヒーの特徴

スターバックスは、合計320個もの商標を取得しています。

グッズ等の販売もあるので幅広く取得していますし、ロゴは変更するたびにしっかり取得。色彩あり・なし両方での取得や、「SUNRISE BLEND」「スキニーラテ」などの商品名、店名を略した「スタバ」などとても細かく取得していることから、類似品を徹底的に排除したい意向がうかがえます。
役務の追加取得もこまめに行っています。

もう一つ特徴的なのが、セイレーンなしのロゴも取得していることです。スターバックスコーヒーと言えばセイレーンがデザインされたサークル型のロゴが有名ですが、セイレーンなしで緑と黒の円のみのロゴ②も取得しています。

色合いと形だけでスタバを連想させるだけのブランド力があるからこそ、登録できたと言えるでしょう。

ワタミの事例

ワタミとは

和民

出典:居酒屋 和民ホームページ(https://watami-zawatami.com/

外食産業を中心に事業を展開しているワタミ株式会社。「JAPANESE DINING 和民」「かみむら牧場」「三代目 鳥メロ」など日本国内で合計400以上の店舗を展開するほか、国外でもアジアを中心に約50店舗を展開しています。

外食産業以外にも、宅食事業や農業事業、介護事業などにも進出。全国6か所にあるワタミファームでは有機野菜を栽培し、2021年4月には岩手県陸前高田市に体験型有機農業テーマパーク「ワタミオーガニックランド」もオープンしました。

ワタミが取得している商標

ワタミは後継127個の商標を取得しています。

  • ローマ字表記(19個)
  • ロゴ(図形)(108個)
ワタミ商標

(出典:J-PlatPat:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

127個の商標の中から5個をピックアップしました。

各商標の取得区分は以下の通りです。

ローマ字表記(右上)1,29,30,31
ロゴ①(左)43
ロゴ②(右中)29,30
ロゴ③(右下)43,44

ワタミの特徴

幅広く事業を展開しているワタミでは、事業単位でしっかりと商標を取得しています。一方で、飲食店名なら43類、宅食関連なら29類と30類、介護施設なら43類と44類というように、各事業のロゴ毎の取得区分は必要最低限にとどめています。

きっちりと権利を守りつつ、商標取得にかかる経費を効率よく抑えた取得の仕方です。事業展開の展望や商標登録にかけられる予算次第で、取得する区分を絞る、事業の拡大に合わせて段階的に取得するなど自社の状況にあった取得の仕方を探しましょう。

まとめ

今回は大手飲食チェーン3社の商標について解説しました。

各社とも異なった取り方をしていますが、それぞれの戦略を見ていると以下の特徴があります。

  • 事業展開・事業規模に応じて追加で区分や役務を取得している。
  • 商品名やサービス名も登録し、しっかりと権利を守っている。
  • ブランドロゴは変更のたびに商標登録している。

商標登録が遅れると、他社が商標権を先に取得してしまうこともあります。

そうなると店名や事業者名を変えなけばならず、多額の費用が発生してしまう場合もあります。商品やサービスを開発したら、すぐに特許事務所に相談をしましょう。

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