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特許マップ(パテントマップ)の作り方!知財部員がやさしく解説!

知財戦略や知財活動の方針を立てる際に、特許マップの作成を依頼されたことはないでしょうか?ただ、一口に特許マップと言ってもたくさんの種類があり、目的によって最適な特許マップを選定する必要があります。

今回は特許マップの作成目的や種類、作成方法を企業知財部目線で解説します!特許マップを使いこなすことで、自社の強みや他社の弱みを見出すことができ、開発方針の決定にも役立てることができます。

<この記事でわかること>
・目的に応じた特許マップの種類
・特許マップを自分で作成する方法
・特許マップを外注する方法

(執筆:知財部の小倉さん

特許マップとは?

特許マップ(パテントマップ)とは、シンプルに表すと特許についての分析ツールです。特許出願状況を調べて、自社事業の周辺領域に競合がどれだけいて、どのような技術開発や事業展開をしているのかを分析するために利用します。

参考:第9回●「特許マップ(パテントマップ)」とは?(IP BASE)

どんなときに特許マップを作成するの?

特許マップを作成する目的は大きく分けて以下の3つがあります。

  • 自社の知財状況を確認したい
  • 他社の技術動向を知りたい
  • 自社と他社の知財状況を比較したい

これらの目的を持って、出願件数の推移、登録件数の推移、技術分野ごとの出願件数などを可視化していきます。可視化することで、増加傾向、減少傾向、特定の技術分野への出願集中などが分かりやすくなり、他人へ説明する場合には理解を得やすくなります。

特に上層部へ知財状況を説明する場合には、グラフなどで視覚的に訴えた方が理解してもらえますね。知財部員は特許の権利範囲や技術の詳細な説明をしてしまいがちなので、特許マップで直観的に理解してもらいましょう!

特許マップの種類を知りたい

特許庁は独立行政法人工業所有権情報・研修館(略称:INPIT)を通じて「特許情報分析の支援」を中小企業やスタートアップ向けに実施しています。

INPITのホームページで公開されている「特許情報分析による中小企業等の支援事例集」という資料の中に、分析結果のイメージサンプルが紹介されています。本記事では、この中から特によく使う分析方法を解説します。

1つ目は、ランキング分析です。絶対値を比較するときに使います。特定の分野に絞って出願件数を比較することで主要な企業を知ることができます。下図ではA社とB社の出願件数が突出していますね。

出典: 特許情報分析による中小企業等の支援事例集(ランキング分析)

2つ目は、時系列分析です。件数の推移を把握することができます。特定の技術分野に絞って比較することで、技術開発のピークが過ぎてコモディティ化が進んでいるかなどの状況も把握できます。

出典: 特許情報分析による中小企業等の支援事例集(時系列分析)

3つ目は、課題・解決分析です。技術課題に対してどのような解決手段で出願されているかが分かります。自社特許をマッピングすることで出願モレの確認ができます。さらに他社特許をマッピングして自社と比較することで、強みや弱みを把握することができます。

出典: 特許情報分析による中小企業等の支援事例集(課題・解決分析)

この他にも5つの分析方法が紹介されています。さらに実際に起業が特許情報を事業に活用した事例が載っています。具体的なイメージを持つことができると思いますので、一度読んでいただくといいかもしれません。

特許マップを作成してみよう

特許マップについて必要性などの理解が深まったことと思いますが、実際に作成してみなければ活用イメージが湧いて来ないと思います。無料ツールを使って自分で特許マップを作成してみましょう。

元データはJ-PlatPatから入手しよう

まずは、無料ツールであるJ-PlatPatから特許データを取得しましょう。出願人を「ソニー株式会社」として、公開日が2019年4月1日以降のものを検索すると、以下のように994件がヒットしました。

検索方法の詳細は、こちらのページで解説しています。
→ 参考:特許の検索サイトと使い方を徹底解説!

データ加工や可視化はエクセルで行う

次に、J-PlatPatから入手したデータをエクセルにコピペします。

ここから、不要な行を削除したりします。データの加工やグラフ化につきましては、野崎篤志氏の無料で出来るパテントマップ作成講座というYoutube動画が参考になります。加工後のデータは下図のとおりです。

さらに、ピボットテーブルやグラフを使うと、下図のような出願件数の推移を把握することができます。横軸が「年」となっていますが、「年度」に変換するなど好きなように変更できます。

無料ツールを使えばエクセル不要

特許庁では「知財インテリジェンスサービス」というサイトで、特許分析の無料ツールをまとめています。

例えば、知財ラボなどを利用すると出願人の公開件数のランキングを見ることができます。そして、特定の企業名をクリックすると下図に示すような公開件数の内訳を見ることもできます。

また、特許事務所の公開件数ランキングも見ることができますので、どんな特許事務所が上位にあるか確認して発注先を決めるのにも使えそうです。

他にもTechRadar ScopeやULTRA Patentなど様々な無料ツールが紹介されていますので、使ってみるとよいでしょう。そしてほとんどの無料ツールが有料版を提供していますので、気になる機能があれば問い合わせてみるといいかもしれません。

特許マップの作成を外注したい

時間が無いなら外注しよう

開発者は本業がありますので、分析ツールの使い方を覚えるのも大変だと思います。また、知財部員も社内で発明を発掘したり、全社へ知財活動を展開したりと忙しいでしょう。

そこで、特許マップを作成してくれる外注先を見つけるのも一案です。特許庁は「特許情報提供事業者リスト集」を公開しており、パテントマップ作成サービスを提供している事業者を探すことができます。ただ、たくさんの事業者が記載されていますので、その中から自分に合った事業者を探すのはハードルが高いかもしれません。

お金があるなら有料ツールもある!

パテントリザルトが提供しているBiz Crucher(ビズクランチャー)やサイバーパテント株式会社が提供しているCyberPatentDesk(サイバーパテントデスク)など、最近ではAIを使って特許の内容を読まなくても、自動で分類してくれるツールもあります。

しかしながら、高度な機能を持ったツールを使いこなすには、特許の知識や分析の手法にある程度精通している必要があります。まずは、信頼できる特許事務所や調査会社に相談することをおススメします。

まとめ

今回は特許マップの種類や作成方法について解説しました。

特許を読んで内容を理解することは、ハードルが高いため敬遠しがちです。しかし、開発者のように技術や事業の理解ができていないと、使えない分析結果になってしまう可能性もありますので、開発者にやり方をチェックしてもらう必要があります。また、特許を読む時間が無いという場合には、外注業者を使うという手段もあります。

特許出願ラボでは、特許調査を得意とする弁理士や特許事務所を紹介できます。お客様の目的によって、最適な依頼先は異なりますので、自分にぴったりの外注先を見つけるのは苦労すると思います。特許出願ラボは完全無料でご利用頂けますので、まずはお気軽にご相談ください。

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