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重要!クリアランス調査(FTO調査)と依頼先!

クリアランス調査

自社製品の実施が他社の特許権を侵害していた場合、自社製品を実施する行為は、差止請求や損害賠償請求の対象となります。

このような事態を避けるためにも、あらかじめ製品に関連する他社の特許権を把握することが重要になります。

今回は、自社製品に関連する他社の特許権を発見するための調査(クリアランス調査)について解説します。

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特許のクリアランス調査(侵害予防調査・FTO調査)とは?

特許のクリアランス調査とは、自社製品の実施が、他社の特許権を侵害する可能性を有しているか否か?について確認するための調査です。

簡単に言うと、これ作って売っても大丈夫?を確認する調査です。

「FTO (Freedom To Operate) 調査」や侵害予防調査とも呼ばれ、多くの特許事務所がこの調査を請け負っています。

【クリアランス調査で確認できることの例】

  • 自社製品の実施が、他社の特許権を侵害する。
  • 自社製品を実施しても、他社の特許権を侵害しない。
  • 自社製品を実施した場合、権利範囲の解釈によっては、他社の特許権を侵害する。
  • 自社製品を実施した場合、将来的に特許権侵害となる可能性のある特許出願がある。

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クリアランス調査が必要な理由

クリアランス調査を行わないと、最悪、製品の販売中止のような事態が起こりえます。

仮に、自社製品の実施が他社の特許権を侵害する場合には、自社製品の実施に際して、特許権者からの許諾(許諾による通常実施権)などが必要となります。

しかしながら、特許権者からの許諾などが無い場合には、製品の設計変更、あるいは販売中止を迫られることになり、会社の事業に大きな影響を及ぼすことになります。

そこで、このようなリスクをできるだけ抑制するため、クリアランス調査を行うことで、自社製品の侵害可能性を確認するのです。

クリアランス調査をするタイミング

クリアランス調査をするタイミングとしては、次の①及び②を満たすタイミングが好ましいです。

①実施する製品の仕様が固まっている

クリアランス調査では、製品のポイントを抽出したうえで、このポイントを権利範囲に含む特許権の有無を調査することが重要です。

もし実施する製品の仕様が変更され、製品のポイントにも変更点が生じた場合には、再度クリアランス調査をすることとなり、調査コストが余計に発生します。

②販売開始前(量産前)である

クリアランス調査は、販売開始前に行うことが重要です。

もし販売開始後にクリアランス調査を行って、特許権を侵害することが判明した場合には、製品の回収や設計変更、生産ラインの変更などをする必要が生じ、費用と時間の面で大きな損失を被ります。

クリアランス調査にかかる費用

特許のクリアランス調査にかかる費用は、おおむね20万円から40万円程度であると言われています。

ただし金額については、クレーム数(特に、独立クレームの数)や、技術分野、クレーム中の構成要件の数、調査範囲(調査した文献の数)等によって変動することが多いです。

また案件によっては、均等論や間接侵害について検討する場合もあり、このような検討をした場合には、その分の費用が加算されます。

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クリアランス調査のやり方

クリアランス調査のやり方は、調査会社や特許事務所ごとによって異なる点がありますが、概ね次の過程に沿って行われています。

  1. 自社製品のポイントを特定する。
  2. 自社製品のポイントを包含するクレームを想定する。
  3. 想定したクレームに基づいて、検索式を作成する。
  4. 作成した検索式に基づいて文献をスクリーニングする。
  5. 調査結果をまとめる。

1:自社製品のポイントを特定する

まず、自社製品のポイントを特定します。このとき、ポイントは1つとは限らず、複数有る場合もある点に注意します。

自社製品が従来品の改良品である場合には、改良した箇所と、改良により得られた効果は、ポイントとなることが多いです。

【例】

断面の丸い鉛筆を改良して、断面が正六角形の鉛筆を作ることで、転がりにくくなった。

→断面が正六角形の形状であること、転がりにくくなることの2点がポイントとなります。

2:自社製品のポイントを包含するクレームを想定する

次に、自社製品のポイントを包含するクレームを想定します。

クレームを想定する場合には、ポイントとなる箇所の原理や思想を考えて、ポイントを上位概念化することが必要となります。

【例】

先ほどの断面正六角形の鉛筆では、角を設けることで転がりにくくなっているため、角を設けた他の形状、例えば断面が正方形である場合や、長方形、あるいは正三角形を含むクレームを想定します。

3:想定したクレームに基づいて、検索式を作成する。

次に、検索対象の決定をします。特許のクリアランス調査では、一般的な進め方として、特許分類やキーワードなどを組み合わせた式(検索式)に適合する特許公報を抽出して確認する方法がとられています。

ですからこのタイミングでは、検索式の作成がなされます。

検索式の作成においては、まず、想定したクレームから考えられるキーワードを用いて、予備的に検索を行うことが一般的です。この検索を予備検索といいます。

予備検索をしたら、ヒットした特許公報の中で自社技術に近い特許公報を抽出し、抽出した特許公報の特許分類やキーワードを確認します。そして、この特許分類やキーワードを参考にして、検索式を作成します。

【例】

先ほどの断面正六角形の鉛筆について検索式を作成する場合には、特許分類(IPC)の“鉛筆・色鉛筆で軸の形状に特徴のあるもの”(分類コード:B43K19/02@F)を検索式にすることが考えられます。

4:作成した検索式に基づいて文献をスクリーニングする

次に、検索式に基づいて、実際に検索をします。検索のツールには、無料で使える工業所有権情報・研修館のJ-PlatPatがよく用いられています。

特許のクリアランス調査では、まず、特許権として存続している文献を調査します。また、係属中の特許出願についても、将来特許となる可能性があるため、調査します。その一方で、すでに拒絶査定が確定した出願や、既に消滅した特許権については、調査は原則不要です。

【例】

先ほどの断面正六角形の鉛筆で、分類コード(FI)に先程のB43K19/02@Fを入れて検索すると、131件が抽出されます。

従って、この131件の文献から、すでに拒絶査定が確定した出願や消滅した特許権を除いたうえで、断面正六角形の鉛筆を権利範囲に含む可能性のある特許権を探します(スクリーニング)。

5:調査結果をまとめる

調査報告のまとめでは、特許権侵害の恐れの有無や、特許権侵害を回避するための方策についてまとめます。

また調査範囲(検索式など)についても、調査範囲が適切であることを示すために、報告書類の内容に加えます。

クリアランス調査は自分でできる?専門家に依頼するべきか

結論として、クリアランス調査については、専門家に依頼することをおすすめします。

なぜなら、クリアランス調査において調査漏れがあった場合には、最悪、自社製品が市場に出回った時点で特許権侵害訴訟を提起されたり、特許権侵害の警告に対応して製品を回収したりせざるを得なくなるからです。

そのようなリスクをできるだけ回避するためにも、専門家に依頼するほうが良いでしょう。

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クリアランス調査の依頼先は?

クリアランス調査は調査会社特許事務所に依頼をすることができます。

調査会社の特徴

  • 調査に特化しているため、調査のスピードとクオリティが高い
  • 特許事務所に比べて調査の対応範囲が広い
  • 特許の出願代行はできない

調査会社は調査に特化している分、経験とノウハウが蓄積されています。そのため納品スピードも比較的早く、クオリティが高いです。

またほとんどの調査会社は、対応可能分野が多岐にわたります。

特許事務所によっては、調査対応可能分野を限定していることもあるので、迷ったら調査会社にお願いすると良いでしょう。

特許事務所の特徴

  • 調査以外も対応可能
  • 調査のみの依頼は対応不可の事務所もある
  • 事務所によって調査の得手不得手がある

特許事務所は調査だけでなく、特許に関する業務全てを扱っています。

出願手続きはもちろん、なかには訴訟対応などの経験を持つ事務所もあるので、継続して知財関係の相談・依頼ができるのが強み。

ただ事務所によっては調査のみの依頼を受け付けていないこともあるので、事前確認は必須。

また特許事務所を選ぶ際には、しっかりと調査に精通した事務所に依頼しましょう。事務所によっては検索エキスパート研修を修了した弁理士が、調査を対応してくれる所もあります。

結局、クリアランス調査は調査会社と特許事務所、どっちに頼めばいいの?

調査会社に依頼することをおすすめします!
クリアランス調査は他の特許調査に比べて、膨大な調査量と精度が必要になります。
調査を専門としている、調査会社に依頼するのが安心です!

\クリアランス調査は調査会社にお任せ!/

対応分野が広い&実績がある!おすすめの調査会社

クリアランス調査は他の特許調査と比べても、調査量が多いことに加え、高い精度で行う必要があるため、専門の調査会社に依頼するのがおすすめです。また調査会社によっては、専門性の高い医薬やバイオを取り扱えないところもあります。

初回相談は無料なので、まずはお気軽にお問合せください

テクノリサーチ株式会社

  • 1979年設立。静岡・東京にオフィスを構える歴史ある調査会社
  • 各分野のスペシャリストが在籍し、幅広い技術分野に対応可能
  • クライアントのニーズに沿った調査をオーダーメイドで提供

1979年設立のテクノリサーチ株式会社。静岡と東京にオフィスを構え、調査業務・知財サービスを全国のクライアントへ提供しています。中小から大手企業まで、数多くの企業をサポートしてきた実績がある調査会社です。

各分野の専門家が在籍しており、専門性の求められる化学・バイオ分野をはじめ、ほとんどの分野の調査業務に対応が可能です。

外国調査に強いという点もおすすめポイントの一つです。

クライアントのニーズ(調査目的・予算など)に合わせて最適な調査方法を提案してくれるので、はじめての調査依頼も安心です。初回相談は無料なので、まずはお気軽にお問合せください。

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