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国際特許分類(IPC)とは?FIとの違いや調べ方も解説

この記事では世界各国で採用されている国際特許分類、IPCについて解説していきます。

IPC(国際特許分類)とは

IPC(国際特許分類)は、日本をはじめとした全世界の国で共通して使用されている特許の技術分類です。

IPCという名称は「International Patent Classification」の略から来ています。

IPCは1975年に発効された「国際特許分類に関するストラスブール協定」に基づいて制定され、現在154カ国で適用されています。

なぜIPC(国際特許分類)が作られたのか

IPCが作られる以前は、それぞれの国で独自に特許分類が制定され、それぞれの特許分類に基づいて特許文献(特許庁により発行される出願内容などをまとめた各知財権に関する文献)が作成、保管されていました。

その後、国際的な技術交流が積極的に行われるようになるにつれ、外国特許文献の利用も増えていきました。

ですが、文献を探す際に国別の特許分類をまず理解しなければいけない手間などが発生することから、特許文献のスムーズな活用に支障をきたすようになることが問題視されていました。

そのような状況を改善すべく、特許文献の国際的な利用の円滑化を目的とした世界共通のIPC(国際特許分類)が制定されたのです。

IPC(国際特許分類)の分類一覧

IPCは全世界の特許技術に対応するため、非常に細かい分類分けが行われています。

最も大まかな分類の「セクション」にはじまり、「サブセクション」、「クラス」、「サブクラス」、「メイングループ」、「サブグループ」と階層を分けてさらに細かく分類されています。

最も大きな分類である第1階層のセクションは、以下の8種類に分けられています。

  • Aセクション:生活必需品
  • Bセクション:処理操作;運輸
  • Cセクション:化学;冶金
  • Dセクション:繊維;紙
  • Eセクション:固定構造物
  • Fセクション:機械工学;照明;加熱;武器;爆破
  • Gセクション:物理学
  • Hセクション:電気

最下層となるサブグループまでの全ての分類を含めると、数万以上に分野が分けられているため、記事内で全てのご紹介はできませんが、特許庁がIPCの分類表を公開しています。

特許庁ページ→「国際特許分類(IPC)について」

IPCは世界の技術の進展に対応するため、適宜改定が行われています。

現在は、2006年1月に発効されたIPC第8版が最新の分類となっています。

分類表を確認する際は、必ず最新のものを確認するようにしてくださいね。

IPC(国際特許分類)以外の国独自の特許分類をご紹介

日本の特許分類「FI」

FI(エフアイ)は日本独自の特許分類です。FIという名称は「File Index」の略称から来ています。

日本で独自に発達した技術分野や、日本特有の商品など、IPCの分類では細分化しきれていない分野をさらに細かく分類しています。

FIはIPCをベースに作られており、約7万の項目に分類されているIPCを、さらに約19万種類まで細分化しています。

特許文献を検索する際に、FIによる絞り込みを行うことで、よりピンポイントで効率的な文献検索を可能にしています。

ヨーロッパ・アメリカの共通特許分類「CPC」

CPCは「Cooperative Patent Classification」の略で、共通特許分類とも呼ばれています。

欧州特許庁と米国特許庁で共通で採用されている特許分類となります。

以前は、アメリカ独自の特許分類である「USPC(United States Patent Classification)」とヨーロッパ独自の特許分類「ECLA(European Classification)」がそれぞれ存在しました。

その後国間で異なる特許分類を国際標準化しようという流れが強まり、共通特許分類であるCPCが発効されました。

CPCは中国特許庁、韓国特許庁でも導入されています。

IPC(国際特許分類)を活用した特許文献検索!

IPCの分類別に特許文献を検索したい場合、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を利用するのが便利です。

特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)でIPC検索をしてみよう

まずは、J-PlatPatのトップページ内の「特許・実用カテゴリー」にカーソルを合わせて表示される「特許・実用新案分類照会(PMGS)」をクリックします。

次のページで検索対象を「IPC」にすると、ページ下にIPCの分類が一覧で表示されるので、調べたい分野を選択して文献を検索することができます。

実際に具体的な特許をIPC検索してみましょう。

「レインコート、雨具」関連の特許を調べたい場合、まずセクションAの生活必需品を選択、

次に、「生活必需品」内の「衣類」を選択、

「衣類」内の「外着;保護衣;付属品」を選択、

「外着;保護衣;付属品」 内に進むと「レインコート」がようやく出てきました。

レインコートの分類コード「A41D3/04」をクリックすると、「特実検索にセット」のコマンドが自動的に表示されるのでセットボタンをクリックします。

そうすると、分類コードが入力された状態で検索ページに移動するので、あとは「検索」ボタンをクリックするだけです。

レインコート関連の特許文献が一覧で出てきました!

検索の際の注意点としては、検索結果が3000件を超えると文献の表示ができなくなります。

その場合は検索オプションで日付指定などを行い、検索結果が3000件に収まるように調整しましょう。

日本の特許分類FIでもIPCと同様の手順で文献検索をかけることができます。

J-PlatPatの使い方については、こちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひ特許調査の参考にしてみてください。

→「超簡単!特許調査のキホンを企業知財部員が解説

IPC(国際特許分類)のまとめ

今回は国際特許分類のIPCについて解説しました。

IPCもFIも文献検索に活用することで、キーワード検索よりもより的確に、より多くの特許文献を調べることが可能になります。

特許調査は検索にコツが必要だったり、文献にも記号や専門用語が多かったりと、複雑な部分も多いです。

はじめて特許文献を調べる方は、知財のプロが所属する特許事務所に依頼するのも一つの手だと思います。

特許ラボでは無料で特許事務所を探すことができます。

特許調査に興味がある方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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