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任天堂・コロプラの訴訟が和解金33億で決着!内容や経緯を図解でわかりやすく解説

2018年に始まった、任天堂とコロプラ(白猫プロジェクト)の特許侵害権訴訟ですが、2021年8月4日に33億円の和解金で決着となりました。

今回は長期に渡った「白猫プロジェクト」をめぐる特許侵害訴訟について、訴訟の経緯から、和解の内容まで解説をしていこうと思います。

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任天堂・コロプラの訴訟!和解の内容は?

(出典:任天堂ホームページ 2021年08月04日:「特許権侵害訴訟の和解成立のお知らせ」)

8月4日付で和解した今回の訴訟ですが、コロプラが任天堂に33億円の和解金を支払うという事で決着となりました。

またこの和解金には今後のライセンス使用料を含むとされています。

このライセンス使用料とは、任天堂が持つ特許権の使用料であり、コロプラが今後も「白猫プロジェクト」をこれまで通り運営するために支払いました。

特許のライセンスは別途ページ下部で解説しています。

何があった!?訴訟の経緯を図解で徹底解説!

任天堂 コロプラ わかりやすく

事の始まりは2018年1月10日。任天堂は自社の保有する特許5件をコロプラの白猫プロジェクトが侵害しているとして東京地裁に提訴したところから始まりました。

実はこの訴訟よりも2年前の2016年9月ごろから、任天堂は水面下でコロプラに指摘をしていたとされています。

この時の損害賠償額は製品の差し止めと合わせて44億円でした。

コロプラは任天堂の主張を認めず、抗争は泥沼化します。

2021年の4月には、任天堂は時間経過を理由に賠償額を追加し96億9900万円としています。

市場規模の大きいアプリゲームだけあって、特許侵害の賠償額が非常に大きいことが分かりますね。

コロプラの反撃!

一方でコロプラは任天堂の訴訟に対して、侵害を否定し反論をしていました。

この時コロプラが取った反論方法は、任天堂の保有する特許はそもそも特許として無効であると主張しました。

つまりコロプラは任天堂の特許を模倣していない!と主張したのではなく、そもそも任天堂の持つ特許は、特許として認められる技術ではない!と主張したのです。

任天堂の知財部は最強!コロプラの反撃にもしっかりと防衛!

任天堂はコロプラが新規性や進歩性の欠如を理由に特許が無効であることを主張する前に、特許の内容を訂正し、権利に穴が無いように対策をしていました。

この訂正は2016年8月のことで、任天堂がコロプラに指摘をする1カ月前のことです。

最強と称される任天堂の知財部は、しっかりと準備をしていました。

コロプラが該当の技術「ぷにコン」の仕様を変更

2020年2月19日に訴訟の主な原因となっていた白猫プロジェクトの「ぷにコン」がアップデートによって修正されました。

従来は、タッチした場所から指を離すとスキルが発動するものでしたが、スキル発動の際はボタンを押す仕様に変更となっています。

任天堂との対立が長引くと、事業に悪影響を及ぼすと判断し和解に歩み寄ったのかもしれません。

2021年8月4日。コロプラが33億の和解金支払いで決着

「ぷにコン」の仕様変更から約半年、コロプラが33億円を和解金を支払う事で決着となりました。

侵害されたとする任天堂の特許5件

今回の事件で任天堂が特定した特許と対応する白猫プロジェクトの機能は以下のとおりです。

  • 特許第3734820号:「ぷにコン」(プレイキャラクターの移動操作)
  • 特許第4262217号:「チャージ攻撃」(長押しで近くの相手を自動で攻撃)
  • 特許第4010533号:「スリープモード」(省電力モードからの復帰する際の確認画面)
  • 特許第5595991号:「フォローシステム」(協力プレイやメッセージなど通信する機能)
  • 特許第3637031号:「シルエット表示」(障害物の陰に入ったキャラクターの表示)

より詳しい訴訟の背景はこちらの記事で解説をしています。

コロプラが支払った特許のライセンス料とは?

特許のライセンス料とは自社の持つ特許を、他社が使用する場合に支払う費用です。ロイヤリティや実施料とも呼びます。

ここで言う使用とは、他社の特許技術を使った商品の開発・サービスの運営などが該当します。

今回の訴訟の場合、コロプラは任天堂の特許技術を使って、「白猫プロジェクト」というサービスを運営するためにライセンス料を支払ったということになるでしょう。

このように、ライセンスを実施することで権利保持者はライセンス料という稼ぎをゲットできます。なおライセンス料は売上の3%~5%程度が一般的です。

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今回の例の様に、特許の訴訟はいつ自分事になるかわかりません。

最近ではパテントトロールと呼ばれる、特許侵害をしているかどうか、定期的に他社をチェックしている企業もあります。

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中小企業はいきなり大手企業から訴えられたなんてことも起こります。

特許侵害が認められると

  • 商品の差し止め
  • 損害賠償の請求

をされてしまいます。

自社のビジネスを守るためにも、自社技術の特許出願はしっかりと検討しておきましょう。

最低でも他社の権利を侵害していないかをチェックするクリアランス調査をすることをお勧めします。

まずは特許の専門家である、弁理士に相談するのが一番です。

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