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身近なIT特許シリーズ!世界のITテクノロジー企業を徹底分析!GAFAの特許戦略まとめ

2007年に米国でiPhoneの販売がスタートし、スマートフォンを介したインターネットサービスが次々と生まれています。そして2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大により、リモートワークやネット通販などのニーズが高まり、IT化がさらに加速しています。

今回はIT企業の中でも、米国の超巨大企業であるGAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)の特許戦略を解説します。ITプラットフォーマーの技術がどのような知的財産権で保護されているか見ていきましょう。

<この記事で分かること>
・GAFAがプラットフォーマーとして注目される理由
・GAFAそれぞれの特許戦略事例(オープン&クローズ戦略など)
・競合他社やパテントトロールとの訴訟事例

(執筆:知財部の小倉さん

世界で注目されるITプラットフォーマー

GAFA(ガーファ)の特許戦略を解説する前に、そもそもGAFAが何かを知っておく必要があります。GAFAは私たちの生活の基盤となるサービスを提供していますので、GAFAの概要について解説します。

GAFA(ガーファ)とは?

米国ではThe Four(ザ・フォー)と言われていますが、GAFA(ガーファ)とはGoogle(グーグル), Apple(アップル), Facebook(フェイスブック), Amazon(アマゾン)の4社で構成されています。

そして、グーグルは検索エンジン、アップルはiOSやiPhone、フェイスブックはSNS、アマゾンはショッピングサイトといった世界最大級のプラットフォームを提供しています。

4社合わせた時価総額は7兆500億ドル(約770兆円)で、2021年8月に日本株全体の6兆8600億ドルよりも高くなっています。
参考:GAFA、時価総額で日本株超え 安定収益が資金呼ぶ

GAFAのビジネス戦略

ひと昔前はハードウェア産業が中心でしたが、近年ではソフトウェアが差別化の源泉となっています。例えば、スマートフォンはハードウェアの性能は横並びでも、中身がiOSなのかAndroidなのかという点が購入の決め手になっていると思います。

さらにそのようなソフトウェアの中でも生活の基盤となるプラットフォームを提供しているのがGAFAです。GAFAは自分たちが無料で提供するプラットフォームから、膨大な顧客データを蓄積しています。例えば、社会的な属性、位置情報に紐づいた写真、商品の好みなどの個人情報です。

GAFAは蓄積したビッグデータを機械学習により分析して、自分たちのサービスを向上させています。例えば、ショッピングサイトで顧客が好きであろう商品をおススメする機能などです。

GAFAはこのようにサービスを改良していき、競合を寄せ付けない強さを発揮してきました。

GAFAの特許戦略事例

それでは、GAFAを構成する4社それぞれの強み技術とそれを保護するための知財戦略を解説していきます。

Googleの事例(オープン&クローズ戦略)

グーグルはオープン&クローズ戦略を駆使して特許戦略を立ててきました。

オープン&クローズ戦略(オープンクローズ戦略)とは、一部の特許を他社に開放(オープン)することで市場拡大を図りつつ、自社の独自技術は特許で独占(クローズ)して市場の中で優位な状況を作り上げるというものです。

グーグルはスマートフォンなどに入っているOSとしてアンドロイドを開発しています。そしてアンドロイドのソースコードをオープンにしてOSを普及させています。

オープンソースにしたことで、Samsung製スマホのGalaxy、Sony製スマホのXperiaなどメーカーを問わず様々な製品にアンドロイドOSが利用されています。

グーグルはアンドロイドを普及させるために無償でソースコードをオープンにしました。アンドロイドを搭載した製品は目論見どおり普及したのですが、このままではグーグルには何の利益も無さそうに見えますね。

ここでグーグルの戦略が発揮されます。何と先ほど紹介した特許で守られているグーグル検索エンジンをはじめとしたアプリの利用料を得ているのです。OSは無償でも、アプリは有償ということですね。

グーグルの特許戦略についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
グーグル検索エンジンを知財部目線で解説!身近なIT特許シリーズ!

Appleの事例

アップルもオープン&クローズ戦略を採っていますが、Googleとは少し違うようです。また、製品のデザインを重視していることもあり、意匠権も活用しています。

参考:Appleオフィシャルサイト

グーグルのアンドロイドはOSをオープンにして、アプリを有料で提供(クローズ)していました。アップルはOSを有料にして、アプリ開発環境を無償で提供したようです。これで、OSの他社模倣を防止しつつ、アプリを世界中の人が作りやすい状態となっています。

また、意匠権を使ってサムスンへ権利侵害も主張しています。

2011年から7年以上も争っていましたが、アップルはサムスンのGALAXYシリーズがiPhoneとiPadの意匠権を侵害しているとして提訴しました。一方、サムスンもアップルが無線通信技術などの特許を許可なく使用したとして、韓国・日本・ドイツでアップルを提訴しました。

係争の場は10か国にも広がり、なかなか決着が付きませんでしたが、華為技術(ファーウェイ)などの中国メーカーがスマホ市場に入ってきたこともあってか、2018年に和解しています。

2010年にはパテントトロールから狙われてしまうこともありました。こちらも10年という長い戦いの末、VirnetXの特許をアップルが不当に使用したとテキサス州の連邦陪審から5億280万ドル(約526億円)の支払いを命じられました。

パテントトロールについてはこちら
→企業知財部からみたパテントトロール!裁判事例や対策を徹底解説!
→パテントトロールって何?!米国弁護士&日本弁理士が解説!

アップルの特許戦略についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
Appleの特許戦略を徹底解説!身近なIT特許シリーズ!

Facebook の事例

フェイスブックは買収により特許を取得したり、IBMから特許を買い取ったりと、知的財産の外部調達を利用しています。

フェイスブックに先行していたSNS分野の企業として Friendster がありました。 Friendster は買収の時点で登録7件、審査中11件の特許を保有しており、これらの特許はフェイスブックに4000万ドルで買い取られました。

フェイスブックが事業的に成功したことでフェイスブックから特許で金を取ろうとする人が出てきたので、その対策として特許の保護を強化したということが考えられます。

また、ヤフーから特許10件を侵害したとして訴えられたときも、フェイスブックはすぐさまIBMから750件の特許を買い取り、ヤフーに対抗する準備を整えました。IBMはGoogleにも特許を売却するなど、収益の柱として特許売却をしているようです。

フェイスブックは創業が2004年にもかかわらず出願人「Facebook, Inc.」で検索した一番古い特許は2012年の出願日でした。自社技術の保護ができていなかったため、特許を外部調達するしか無かったのかもしれませんね。

フェイスブックの特許戦略についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
Facebookの特許技術を徹底解説!身近なIT特許シリーズ!

Amazon の事例

アマゾンは自社技術を早期に保護し、ワンクリック特許に代表される協力な権利を保有しています。

Amazon.co.jp: Amazon タブレット

アマゾンの「顧客至上主義」はとても有名で、常にアマゾン社員は「これは顧客のためになるのか?」と考えるよう教育されています。そして、仕組み化や業務削減を進めることにより、顧客へ提供する価値を最大化してきました。

例えば、インターネットで購入する場合、住所、氏名、クレジットカード番号などを毎回入力する必要があります。ユーザーがそれらの情報をあらかじめ登録しておけば、画面上の専用ボタンをマウスで1度クリックするだけで商品の発注から支払い、配送までの手続きを完了できるシステムをワンクリック特許として登録しました。

すでに権利は満了していますが、US5960411の関連特許として特許4937434特許4959817が日本で登録されています。

アマゾンはワンクリック特許を広い権利範囲で登録したことだけでなく、訴訟で活用することで他社に「アマゾンのマネをしたら訴訟を起こされる」という印象を植え付けることができました。このことで、アマゾンのワンクリック方式を模倣する競合はかなり減ったと思われます。

本特許は米国の他に日本、欧州、カナダ、オーストラリアなど外国にも出願されています。米国ではバーンズ・アンド・ノーブルという米国最大の書店チェーンを相手に訴訟を起こし、バーンズ・アンド・ノーブルは開発したシステムを設計変更することになりました。

アマゾンの特許戦略についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
Amazonの顧客視点の開発と訴訟を使った特許戦略を解説!身近なIT特許シリーズ!

まとめ

GAFA 特許

今回はGAFAを構成する4社それぞれの特許戦略について解説しました。GAFAのように自社の強みをしっかりと保護して、模倣してくる競合に対しては訴訟で争う姿勢を見せることも重要です。

一方で、売上が上がったり有名になればなるほど、パテントトロールにも狙われたりしますので、他社特許調査もしっかりとやっておきましょう。

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