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ITベンチャーの知財戦略!知財を活用して投資家から高評価を得る方法!

ベンチャー 知財戦略

ベンチャー企業も特許を出願すべきだと一般的に言われますが、「特許出願に1件70万円もの費用をかけて本当に回収できるの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は特許庁が発行している資料の「ベンチャー投資家のための知的財産に対する評価・支援の手引き」を参考にしてITベンチャーが投資家から高評価を得るために重要なポイントを企業知財部の目線で解説します。

<この記事でわかること>
・知財に対する投資家の考え方
・ベンチャー企業が陥った知財戦略の落とし穴と教訓
・専門家を入れた知財体制づくりのポイント

(執筆:知財部の小倉さん

知的財産に対する投資家の考えを理解しましょう

特許庁から発信されているベンチャー企業支援のための情報

特許庁のホームページには、スタートアップ向けの情報として「ベンチャー投資家のための知的財産に対する評価・支援の手引き」という資料が公開されています。
参考:スタートアップ向け情報(特許庁)

本資料はベンチャー企業に投資を行う投資家に向けて書かれたもので、知的財産の評価・支援の落とし穴とその対策がまとめられています。特に、以下の3つを特徴としてまとめられています。

  • 投資家向けに書かれた初めての知的財産に関する手引きであること
  • 投資の際に実際に起きたリアルな落とし⽳を集めていること
  • 国内外の事例を取り扱っていること

投資家向けに書かれたものですので、逆に言えば投資家が気を付けるポイントを学ぶことができます。ぜひ、この情報を活用して投資家から高評価を得ましょう。

投資家が知財支援をする意義

投資家はベンチャー企業に投資をし、株価上昇によるキャピタルゲインを得ています。つまり、投資先のベンチャー企業の価値を高めて、株価を上げることが目的です。

近年は、産業構造や技術が複雑化しオープンイノベーションも活発化しています。ベンチャー企業にとっては他の事業会社との提携や事業売却(EXIT)など様々な選択肢が生まれています。

ベンチャー企業の知財戦略に瑕疵(かし)があると、提携・買収の成否を左右したり、取引に当たってのディスカウントの要因になったりする可能性があり、投資家もリターンの最大化を狙って知財支援を行っています。

投資家による知財戦略支援

知的財産は特許権だけでなく、会社名やプロダクト名に紐づく商標権、ノウハウやデータなどの営業秘密など多岐にわたります。ITベンチャーであれば、プログラムは特許・営業秘密・著作権など多面的に保護されます。

投資家がベンチャー企業の知的財産を外部から評価・支援する意味としては、「経営戦略に沿った知財権を取得しているか」をフォローすることにあると言えます。

ベンチャー企業自身が知財戦略を考える場合、「技術」の優位性をベースに権利化や契約を考えていくことが多く、「経営戦略」の観点が弱くなってしまう可能性があります。

投資家は、投資先の企業価値を最大化するために、現在や将来の市場や提携先など経営戦略全体を考えることができます。また、投資家は知財に関連する調査・出願・契約などにかかる費用を支援することもできます。

ベンチャー企業の知財戦略の落とし穴から学ぶ!

ベンチャー投資家のための知的財産に対する評価・支援の手引き」 には、ベンチャー企業が実際に経験した知財戦略の落とし穴について13の事例で紹介されています。代表的な落とし穴を教訓と合わせて紹介していきます。

事例1:事業計画の中に知財戦略がない

ベンチャー企業から「基本特許をたくさん出願している」と聞いており、投資家は安心していましたが、事業を開始すると競合が類似の技術で特許を回避して市場参入してきました。さらに悪いことに、自社が他社特許を侵害していることまで発覚しました。

この事例では、対策として「単に特許の有無を確認するだけでなく、事業計画の中に知財戦略を入れること」が提言されています。

事業計画を策定し、ビジネスモデルやコアバリューを見極め、競合の参入を防ぐための権利化や秘匿化などを考える必要があります。その技術で必須となる要素が権利化できていないと、代替技術で回避可能となってしまい競合が市場参入できてしまいますので注意しましょう。

事例2:コア技術の出願前に開⽰を⾏ってしまい、基本特許を取れない

大学などでよくあるケースで、技術の重要な部分を特許出願前に論文発表してしまい、新規性が無くなってしまうという状態です。ITベンチャーでは、特許出願前に顧客や提携先へプロダクトのデモを行ったり、サンプルを提供してしまったりすることが想定されます。

特許権は新しい高度な技術を世の中に公開する代わりに与えられる独占権になります。特許出願日よりも前に、公開してしまうと基本的には特許を取ることができなくなってしまいます。

対策としては、論文発表やプロダクトを開示する前に特許出願を完了させるということが考えられます。もし、特許出願が後になってしまうということであれば、発表や開示の内容を一般的な内容に留めておくということもできます。

その他特許法上も自ら公開した発明については例外規定があり、権利化可能な場合もありますので弁理士など専門家に相談するとよいでしょう。

事例3:IPO 直前に競合他社から侵害警告・訴訟を受けた

ベンチャー企業が証券会社とともにIPOの準備を行っていた事例で、新聞でも報じられ話題となっていたようです。IPOの直前に個人経営の会社から特許侵害の警告を受け、この会社と交渉したところ、想定以上の高額の損害賠償と今後のロイヤリティ料を請求されました。

ベンチャー企業と証券会社は、訴訟に発展することで上場審査に悪影響が出てしまうことを恐れ、「要求を飲まざるを得ない」と頭を抱えていました。

対策としては、当然ですが開発前から他社の権利を調査するということになります。テクノロジーを売りにしているのであれば特許調査は必須です。

意外とやっかいなのが商標調査です。知名度が上がったころに他社から侵害警告されてしまった場合、サービス名や企業名を変更することになってしまいます。

専門家を入れて知財の評価・支援の体制を整えましょう

上で説明した事例のような落とし穴にはまることなく、投資家から企業価値を高く評価してもらうには会社としての体制を整えることも有効です。体制を整えるうえで注意するポイントを紹介します。

知財評価プロセスを仕組化することでノウハウを共有する

評価というと難しく聞こえるかもしれませんが、自社が保有する知的財産権で現在の事業が保護できているか確認する仕組みを整えましょう。

ベンチャー企業では技術や市場がピボットすることがあり、必要な知的財産権もその都度変化することとなります。追加の技術開発によっても、追加の知的財産権が必要となります。

継続的に知財の評価を行う必要がありますので、社内担当者を配置すれば済むという話ではありません。定期的に知財権の棚卸を複数部門で行うなど組織として対応し、ノウハウを蓄積することが必要となってきます。

投資家だけでなく知財専門家とも連携する

知財支援を投資家が行ってくれる場合にも、知財専門家と連携する必要はあります。具体的には、特許事務所の弁理士や法律事務所の弁護士などです。

プログラムやデータなど無体物を取り扱う機会が増えているため、知的財産に関連する法律や特許庁の運用も頻繁に改正・変更されます。そこをキャッチアップするには、特許庁や弁理士会などにネットワークを持つ専門家からの支援が必要になります。

投資家に経営戦略と資金提供、知財専門家に知財戦略を支援してもらいながら、ベンチャー企業を含めた3者で議論することが知財活用を実現するうえで重要です。

まとめ

今回は特許庁の資料を参考にしつつ、ベンチャー投資家から高評価を得るための知財活用について解説しました。ベンチャー投資家がどのような観点に注意して投資をしているかイメージできたのではないでしょうか?

特に、ピボット後も自社知財権で事業が保護できているか、他社知財権を侵害していないか、というのは後回しになりがちです。気付いた時には競合が市場参入していたり、他社から警告を受けて大きな損害となる可能性があります。まずは、事業戦略の一部として知財戦略を組み込むところから知財専門家に相談してみることをおススメします。

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