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資金調達の方法を簡単解説!【特徴・シーン別方法まとめ】

企業がなにか事業を行う際は、常に資金が必要となります。新しい事業の立ち上げや設備投資では、多額の資金が入り用となりますね。

また、不況などで収益が低下した場合にも、企業の立て直しのための資金が必要となります。

その一方で、資金調達には複数の方法があり、それぞれの調達方法には異なるメリット・デメリットがあります。今回は、資金調達の方法について解説します。

主な資金調達方法

企業が資金調達をする際の主な調達方法としては、以下の方法があります。

  • 自己資金
  • 融資による資金調達
  • 出資による資金調達
  • 資産の現金化による資金調達
  • 補助金・助成金による資金調達

これらの資金調達には、それぞれメリット・デメリットがあります。そのため、資金を調達する際には、会社の状況に応じてこれらの中から資金調達の方法を選択することが必要となります。

自己資金

自己資金は第三者からの借り入れによらない自己所有の資金です。原則として自己の預貯金が自己資金となります。

ただし、自己資金と融資を組み合わせて資金調達をする場合、融資を判断する銀行は、必ずしも預貯金の全てを自己資金として認定しないことがあります。

銀行が自己資金として認定する預貯金は、預貯金通帳で確認することのできる、出所の確かな現金です。いわゆるタンス預金は預貯金通帳で確認することができないため、自己資金としては認定されません。

また、融資直前に大きな金額が預貯金の口座に振り込まれている場合、「振り込まれたお金の出所が確かであるとはいえない」として自己資金と認められないことが多いです。

ただし口座に振り込まれたお金が退職金なら、出所が確かであるため、基本的には自己資金として認められます。

融資(デットファイナンス)

融資(デットファイナンス)とは、金融機関などからお金を借り入れることであり、利子を付けて返済しなければならない資金調達方法です。融資の方法としては、銀行などの金融機関からの借り入れや、社債発行などがあります。また、融資額は貸借対照表上の負債に計上されます。

融資のメリットは、融資を受けた上で返済をすることで、取引実績を増やすことができるため、次回の融資が受けやすくなるという点があります。また、支払った利子は会計上損金に参入することができるため課税対象額を減少させ、納税額を減らせます。

逆に融資のデメリットとしては、融資額は貸借対照表上の負債に計上されるため、融資額が増えることで自己資本比率が低下するということが挙げられます。自己資本比率が低下した場合、金融機関の評価が下がることで、追加融資を十分に受けられない可能性が生じます。

出資(エクイティファイナンス)

出資(エクイティファイナンス)とは、新株発行を伴った資金調達です。出資により調達された資金は貸借対照表上の資本に計上されます。

出資のメリットとしては、利子のような返済義務は原則として生じない、ということが挙げられます。また、出資により調達された資金は資本に計上されるため、資本の計上によって自己資本比率が向上することで、財政面における金融機関からの評価が向上し、金融機関からの資金調達が有利になるという点も挙げられます。

また、出資のデメリットとしては、購入者(株主)に対して、購入した株式数に応じた株主総会での議決権を渡すため、会社経営に際して株主の意向をくみ取る必要があるということが挙げられます。

資産の現金化(アセットファイナンス)

資産の現金化(アセットファイナンス)とは、企業の保有している資産を担保にして資金を調達する方法です。

具体的には、企業が所有する不動産や債権などの資産を担保として資金を調達することが挙げられます。また、特許権などの知的財産権も会計上の資産であるため、知的財産権を担保とした資金調達も可能です。

資産の現金化によるメリットは、金融機関などの審査が融資と比べて緩いこと、資金調達のスピードが早いこと、融資と異なり負債を増やすことなく資金調達をすることができる点です。

逆にデメリットとしては、担保となる資産を失う可能性があること、利息や手数料が高くなる可能性があることが挙げられます。

補助金・助成金

補助金・助成金は、いずれも国や自治体が交付する資金です。補助金は国の政策目標を達成するために取り組んだ事業者を支援するための資金であり、助成金は、労働環境や雇用に関することを目的とした資金です。

補助金は公募制であるため応募期間が限られています。また、応募基準を満たす場合でも審査に通らないこともあります。その一方で、助成金は随時募集していることが多く、応募基準を満たしていれば比較的高い確率で審査に通る傾向があります。

補助金・助成金のメリットは、返済義務がないことです。その一方で、デメリットとしては、申請に必要な書類の準備に時間を要すること、事業をした後の後払いであるため、いったん立て替えることが挙げられます。

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【パターン別】利用されやすい資金調達方法

資金調達方法については、自社企業の規模や経営状態によって、より適切な調達方法が変わります。

大企業の場合、金融機関からの融資や、新株発行などによる資金調達が主な調達方法となりますが、それ以外の企業ではこれらの方法を取ることが難しいという状況があります。

そこで、今回は企業の規模に応じた資金調達方法について説明します。

中小企業

中小企業の資金調達については、リーマンショック以降、銀行からの融資が厳しくなっていることもあり、苦しい状況が続いています。

ただし、政府系の金融機関、例えば、日本政策金融公庫や、商工組合中央金庫(商工中金)では、様々な融資制度が用意されているため、中小企業でも融資を受けることが可能となっています。

しかし、これらの融資制度による融資は限度額があるため、補助金・助成金やノンバンクからの融資、資産の現金化など、他の融資と組み合わせて用いることが多くなります。

スタートアップ・ベンチャー企業

スタートアップ・ベンチャー企業の資金調達についても、銀行からの融資が厳しいため、中小企業と同様に、政府系の金融機関や、補助金・助成金やノンバンクからの融資、資産の現金化などを組み合わせることが用いられています。

また、スタートアップ・ベンチャー企業の場合には、個人投資家(エンジェル投資家)による投資や、ベンチャーキャピタルによる投資を受けて資金調達をする方法もあります。

ただし、エンジェル投資家による投資は、投資者が悪質な人物である、という可能性もあり、人物の見極めが重要になります。またベンチャーキャピタルによる投資は、非常に難易度が高いため、投資をしたいと思わせる事業計画書を作りこむことが重要になります。

これから起業する人

これから起業する人にとっては、まず自己資金が重要になります。その理由として、起業時の融資にあたって、ある程度の自己資金を保有していることを条件としている金融機関類が多いことが挙げられます。

例えば日本金融政策公庫では、自己資金が融資希望額の10%以上あることが要求されており、この要求を満たさない場合には審査に通らない、という運用がなされています。

ですからこれから起業する人の場合、融資希望額の10%以上の自己資金を有した状態で、スタートアップ・ベンチャー企業と同様に、政府系の金融機関や、補助金・助成金やノンバンクからの融資、資産の現金化などを組み合わせることが、資金調達に必要となります。

経営難のとき

経営難のときは、現金化までの期間を短くすることが重要となります。そのため、比較的利息の高いノンバンクからの融資や、資産の現金化による資金調達を用いることが多くなります。

知的財産権は資金調達を成功させる助けになる

近年では、企業の所有する知的財産権を金融機関やベンチャーキャピタルなどにアピールすることで、資金調達を有利に進めることも行われています。

もし知的財産を持っているなら、ぜひ弁理士等に相談もしながら、権利を活用していってください。

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